2013年7月24日水曜日

災害ボランティア(1)





1995年はボランティア元年

1995年の阪神淡路大震災の時、140万人の被災者に対し、約30万人のボランティアが駆けつけてくれたという。行政が対応できない部分、大活躍してくれた。それで1995年は「ボランティア元年」と呼ばれ、以来、災害時にはボランティアの存在はかかせないものとなった。また同時に、それはレッスンを学ぶ機会でもあった。被災者のニーズとボランティアをつなぐコーディネーター機能が不在であったため多くの混乱もあった。「何かを手伝いたい」というボランティアと「何かを手伝ってもらいたい」という被災者をつなぐ機能が必要であり、「災害ボランティアセンター」というしくみが作られるようになった。



災害対応サイクルによるボランティア活動


1)事前の備え(予防ボランティア、ないし防災ボランティア)

被災地でのボランティア活動の体験や経験や学びを生かし、災害時の初動体制づくり(連携)をスムーズにするため、平常時から様々な主体(地域住民、行政機関、ボランティアなど)を事前にネットワークする。また、防災セミナーなどを行い、住民の災害に対する意識啓発活動を行う。「顔の見える防災コミュニティの創出」が目的となる。住宅の耐震化や家具の転倒防止活動なども行う。災害時の要援助者(高齢者、障害者)を認識しておくことも大事である。この働きは必要かつ重要だが、まだまだ認知されていないボランティア活動である。

2)応急対応(救援ボランティア)

一般の人がイメージする「避難所で被災者の世話をする」、あるいは、「壊れた家の瓦礫を片付ける」などの災害ボランティア像が、この期のボランティア活動。ライフラインの破壊に伴う生活支援への対応、避難所での集団生活の運営支援が主な活動。


3)復旧・復興(復興ボランティア)

仮設住宅での高齢者の見守り、心のケアや町づくり、産業再生などでの支援活動。被災者や被災地が自らの生活環境を再構築してゆくなどの側面支援をする。復興、町づくりには専門家によるアドバイスという支援も必要になる。被災者や地域コミュニティ、行政機関、専門家をつなぐ働きも含まれる。被災者にとっては心配してくれる人がいるという「ボランティアの存在」に救われるという場合も多い。「寄り添う」がキーワード。



ちなみに、震災1年半後、私どもの支援団体クラッシュジャパンに日経新聞が取材に来た。日本人でも被災地のことを忘れかけているのに、また、円高の中、どうしてまだ海外からボランティアが来続けているのか知りたいということだった。一緒にいた職員(宣教師)は「神の愛でしょうね」と答えていた。

(つづく)











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一般社団法人 災害支援団体クラッシュジャパン 東京次期災害対策担当
日本防災士機構認定 防災士      栗原一芳(くりはら かずよし)

crashkazu@gmail.com

2013年7月10日水曜日

災害医療と心のケア



 「いかにして救うことのできる命をすくうか」これが災害時の緊急課題です。

阪神淡路大震災では死亡者が6434人、直接死5500人のうちおよそ9割が家の倒壊、家具による窒息死や圧死で被災直後(5分くらいの間)に亡くなっています。しかし、残りの1割については救命の可能性があったといわれています。問題は同時多発的に負傷者や死者が出るので対応しきれなくなるということです。阪神淡路では要救援者の約8割は近隣住民によって救出されています。地域住民レベルで資機材の取り扱いや、基本的な救援、救護法を学び、一人でも多く、一刻も早く助け出すための備えをする必要があるのです。ちなみに「救助活動の3種の神器」はバール、のこぎり、ジャッキだそうです。地域レベルで備えておくといいでしょう。

それから、なるべく多くの方が地元消防署で行っている救命技能訓練を受けて、AEDの使い方や、心肺蘇生法を生んでおくようにしたいものです。日本では年間、10万人くらいの人が突然死で亡くなります。突然心停止の主な原因は、心筋がけいれんを起こして血液を送り出すことができなくなってしまう、心室細動です。心停止後約3分で、死亡率は50%に達すると言われていますが、119番からの通報で救急車が現場に到着するまでに平均6分かかります。その時、救命処置をするかしないかで生存に大きく影響します。正常な呼吸が無い場合は両手で負傷者の胸の中央を5cmくらい沈ませる感じで1分間100回のテンポで繰り返し強く押します。しかし、救急車を呼ぶことが先決です。

救助活動をする場合には、余震による建物の崩壊や救出活動中の崩壊など、二次災害に注意してください。救出作業は複数でして、作業時には活動全体を監視する人を数名置き、状況の安全確認をするようにしてください。救出は「人命の危険が切迫している人」「救出作業が容易な人」を優先してください。


トリアージとは何か?
「負傷度による負傷者の選別」を意味します。一時に多数発生した負傷者を救命するために、到着した順番ではなく、「緊急度」と「重症度」による治療優先度を数十秒から数分で決定します。これは、死者や、救命不可能な超重傷者に治療の優先権を与えないということも意味します。また、必ずしも、子ども、女性、高齢者、障害者であるという特性に基づいて治療の優先が決定されるのではないことも意味します。トリアージされた人には手首、または足首にトリアージタッグが付けられます。治療の優先順位別に色分けされています。
     
     赤:緊急
     黄:非緊急
     緑:軽処置
     黒:死亡、不処置

被災地の防災拠点(小学校等)ではトリアージするスペースを確保しておくことも重要です。トリアージされた後、負傷者の搬送(トランスポーテーション)、そして治療(トリートメント)となります。


クラッシュシンドロームとは?
四肢が長時間挟まれると、筋肉に血液が供給されなくなり、完全に血流が遮断されると、筋肉は4−6時間で不可逆性の壊死に陥り、筋肉細胞が破壊され、多量のカリウムが出されます。この状態で圧迫が解除されると、カリウムを大量に含んだ血液が全身を巡り、最も重症の場合は、心臓の拍動が止まってしまうのです。長時間下敷きになり、四肢の圧迫を受けて数時間経過した人については、圧迫を除く前に止血帯で圧迫し、血流を再開させないように処置しなければなりません。救急隊や医師が到着する前に行える事は、カリウムを含まない水を与える事、保湿・加温することや元気づけることであり、未処置の状態で容易に四肢の圧迫を除いてはならないのです。


PTSDとは何か?
心的外傷後ストレス障害と訳される。災害や事故などで生命の危機を体験したり、財産や家族を失うなどの心的外傷(トラウマ)を受けた人たちが、その後の日常生活において、その時の状況や体験を繰り返し想起しては苦しむ状態です。災害時には誰でもストレスを受けます。短期のボランティア活動でもストレスを受けますが、それは正常なことです。災害時の正常なストレス反応を「急性ストレス障害(ASD)」と言います。ASD PTSDの区別は少なくも一ヶ月経過しないと分かりません。急性ストレス障害のケアは心理療法士が対応できますが、PTSD は、熟練した高度な専門知識を持つ精神科医が担当すべき病態です。災害時には職業的救援者(自衛隊、消防隊員、警察官など)も遺体や悲惨な光景を目撃し、またトリアージなど重要な判断に際し、大きなストレスを受けます。被災者と接することでストレスを共有、自らの家族の安否もわからないまま災害現場を体験するなど、PTSDが起りやすく、「隠れた被災者」と呼ばれていることも理解しておきましょう。職業的救援者へのケアも必要なのです。9:11貿易センタービルの惨事の対応にあたった職業的救援者のケアのため唯一政府公認で制限区域に入って奉仕したのは救世軍でした。避難所運営の市民ボランティアも同じ被災者です。彼らも不快な環境で長時間奉仕し、避難所入居者同士のトラブルや苦情でストレスが蓄積されていきます。誰もお客さんはいません。皆がお互いを支えてゆく姿勢が必要とされます。

避難所での死(災害関連死)も多数起ります。悲しい事ですが、せっかく災害からは生き延びたのに、ストレスの多い避難所で亡くなってしまうのです。特に持病が悪化してしまうケースが多いのです。高齢者をトイレ近くに配置するなど、少しでもストレスが少なくなるよう前もって計画したいものです。避難所では生きる気力が無くなり、生活不活発病になる高齢者も多く出てきます。側に寄り添うボランティアの存在も大きな助けです。東北の震災では車での寝泊まりでエコノミー症候群になった人達もいました。

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依頼に応じて随時、防災セミナーを行っております。(都内のみ)セミナーに関しては、メール crashkazu@gmail.com(栗原)まで、あるいは、クラッシュジャパン事務局(050−1213−1388)までお問い合わせ下さい。


日本防災士機構認定防災士
災害支援団体クラッシュジャパン(一般社団法人)次期東京災害対策担当
栗原一芳(くりはら かずよし)

2013年6月27日木曜日

関東大震災から学ぶこと




             関東大震災 被災した浅草付近の写真



両国駅西口下車徒歩10分のところに横網町公園がある。その敷地内には東京都慰霊堂と復興記念館がある。慰霊堂は関東大震災遭難者、約58000人と東京大空襲遭難者、約105000人の霊が奉祀されている。東京というところは22年という短い間に、この2つの災難(1つは天災、1つは人災)によって2度壊滅状態になった。

関東大震災
1923年(大正12年)9月1日午前11時58分突如としてM7.9、震度6の激震が東京を襲った。震源は相模湾海底。前夜は豪雨、9月1日は真夏が戻って来たような日であった。昼食の用意で多くの家庭で火を使っていた。当時は木造の家が多く、地震と気づいた時にはもう130カ所で出火、黒煙の炎が各処から立ち上った。煙にまき込まれて逃げ惑う人々。それを押し分けて走る子供を背負った母親、年寄りや病人をつれて右往左往する若者。人々は火炎を逃れんと広場や空き地へと雪崩を打って走っていた。両国近くの本所横網町には軍用跡地の2万4千坪を占める空き地があった。延焼火災から逃れるための広域避難所として最適なはずであった。しかし、木造の多い地域の火災は火災旋風となり、前夜の台風の影響もあってか風も強く、炎は水平にも走った。それで、跡地にぎっしり身動きもできないほど詰まった人々の持ち物(箪笥、荷物、風呂敷包みなど)に燃え移り、その場で3万8千人の老若男女が焼死してしまった。さらに火災は42時間治まらず、当時の市域の約5割、戸数の約7割を焼失し、東京全市だけで5万8千人の方々が亡くなった大惨事となった。東京の2分の1は見渡す限りの焼け野原と仮し、江戸時代一番の繁華街であった両国あたりの下町は全焼してしまった。


                 皇居二重橋付近の地割れ

上野公園の西郷銅像が尋ね人の張り紙で埋まった。当時、情報手段も限られていた中、どんな混乱状態だったか容易に想像するに難くない。猛火が消えると、テントやトタン、ムシロなどで造った仮住居が皇居前広場、日比谷公園、その他の空き地に設けられて辛うじて雨露を凌いだ。鉄道が開通するようになると多くの人が地方に疎開し、都心部の300万の人口が100万人も減少したという。皇居二重橋付近で大きな地割れが見られた。しかし、揺れによる被害そのものは震源地に近い小田原、横浜や鎌倉のほうが大きかった。津波被害もあった。2m以上の地盤の隆起が見られたところもあった。海底では300mも沈降があったと報告されている。関東各地を合わせると約10万人以上の生命が失われ、当時の見積もりで被害総額は約60億(当時の国家財政の4倍以上)となった。アメリカ、イギリス、中国、その他の国々が支援を申し出た。

関東大震災から学ぶ事
1)突然起った大地震。備えがなかった。
2)木造家屋が多く、耐震性も低かった。
3)昼時で火を使っていた。死因の多くは火災だった。
4)広域避難所となるべく場所で火災旋風により多くの死者が出た。

現在は
1)阪神淡路、東日本大震災を経て、防災意識は高まっている。また、南海
トラフ、首都直下型地震など次の地震の情報(長期予測を含む)が与えられている。
2)1981年の建築基準法改正で耐震性は大きく改善された。今日、耐震設
計は行き着くところまで行っている。(震度6強まで倒壊しない設計)
3)いわゆる木密地帯(環七沿いの木造密集地帯など)の区画整理が始まって
いる。すでに火災発生地域が特定されている。
4)しかしながら、木密地帯の住民の多くは高齢者で区画整理は予定通りには
進んでいない。

さらに、湾岸の5000基の石油タンク、12基の火力発電所や湾上のタンカーなどによる火災、それによる有毒ガス対策などはまだまだこれからと言えよう。怖いのは火災旋風で、もし強風の時であれば、炎は水平にも走る。ビルの間を竜のように這い回るだろう。関東大震災では広大な広場で多くの死者が出たことは忘れてはならない教訓である。延焼火災を避けるべく設置されている広域避難所は本当に安全なのだろうか?一時避難所から広域避難所への移動は安全にできるのだろうか?今日の東京は、当時なかった高層ビルや地下鉄網や地下構造物が多くあり、違った型の災害が起る事が予測される。最近は地下水の上昇問題もあり、現実的なシュミレーションによる対策が必要となる。


                                                               3:11時の千葉製油所

東京大空襲
1945年3月9日から10日にかけての東京大空襲はかつてない大規模な爆撃となり、わずか数時間で8万3千人の死者と無数の負傷者を出した。突然の地震とは異なり、避難訓練はしていたものの、これほどの大規模爆撃には為す術もなかった。江東、墨田、台東、中央の各区を中心とした都心のほとんどが火炎に覆われて2−3時間のうちに26万8千余の家を焼き尽くした。こうして東京は再び見渡す限り一面の焦土と化した。しかも皮肉なことに、この人災は、天災である関東大震災の数倍も激しい凄惨な状況であったという。遺体の数は合計10万5千体を超えた。

東京はこの2度の首都消失を経験してきた。今後、首都圏直下型地震が3度目となるのか?はたまた南海トラフ地震が日本の消滅になるのか?大変な時代に突入してしまった。レジリエンスという言葉が聞かれる。柔軟な復興力とでも言おうか。ハード面(耐震化など)、ソフト面(防災コミュニティ/絆つくりなど)両面での復興力強化が必要とされる。世界都市東京の復活はありえるのか?


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日本防災士機構認定 防災士
災害支援団体クラッシュジャパン次期東京災害対策担当
栗原一芳(くりはら かずよし)

2013年6月13日木曜日

防災 それ間違ってます(2)



 Q.  東京では3:11の時、都心で5強を体験しているから、次の震災もあの
   要領で歩いて帰宅すればいいんでしょう?

南海トラフ地震では東京は5強と予測されていますから、前回の3:11の体験が活かせるでしょうが、首都直下型地震の場合は東京23区の7割で震度6強以上、日比谷、丸の内、湾岸では震度7も予測されています。すぐに外に飛び出したり、帰宅を急がないでください。東京都では「むやみに移動しない」を呼びかけています。なぜでしょう。皆が移動を開始すると、1平方メートルあたり6人(満員電車状態)の人ごみに3時間以上閉じ込められる人が220万人発生するというのです。東京駅には14万人が滞留します。さらに都心の路上は危険で一杯です。日比谷は字のごとく、昔入江だったところで地盤が弱く液状化が発生しやすいのです。最近では東京下の地下水が上昇してきてる問題もあります。ともあれ、道は液状化で噴砂現象が起き、マンホールは浮き上がり、道は隆起し、ひびが入っているという状態。さらに東京の地下はガス管が張り巡らされ、液状化で倒れる電柱から発火して爆発する恐れもあります。ビルのガラス窓が割れて雨のように降ってきます。湾岸の石油タンクに火災が起れば有毒ガスが流れてきます。もし、比較的新しい丈夫なビルにいるなら、留まっていた方が安全です。環七と山手線の間はいわゆる木密地帯(木造家屋密集地帯)で火災旋風になっている可能性が大です。そこを歩いては超えられません。その状態では帰宅支援ステーションであるガソリンスタンドやコンビニも破壊され火の手が上がっている可能性もあります。震度6以上の大震災時は「動かないこと」が無難です。東京都は条例を出して、雇用主が雇用者のたえめに最低3日分の水や食料を備蓄することにしました。3日くらい会社のビルに留まる可能性が大だからです。



Q. 避難所に行けば行政の職員、ボランティアがいろいろ面倒見てくれるので
  しょう?

避難所の運営は基本的に入居する避難者です。行政の職員も被災している事を忘れないでください。誰もお客さんはいません。皆で助け合っていく姿勢が必要です。職員の数には限りがあります。私の住んでいる東久留米市は人口11万人ですが、防災課の職員は2名です。救急車は2台しかありません。外部からボランティアが来るのは早くても1週間後でしょう。震災後は不安や恐れで混乱しており、皆イライラしています。前もって避難所の部屋割り配置、仮設トイレ置き場、物資置き場など運営委員会で決めておく必要があります。生活ルールは住民によって決められますので、なるべくわかりやすい、シンプルなものを皆で決める必要があります。避難所の開設にあたっては、

1)避難所スペースと非避難所スペースの区別 (立ち入り禁止エリア)
2)共有部分と各世帯の生活の場としての居住部分に分ける。
3)部屋割りは「世帯」を単位に、一人あたり最低2m平方メートルは確保する。
4)高齢者、障害者、幼児と婦人、外国人などへの配慮

などがあります。阪神淡路の震災では多くの高齢者が避難所で亡くなりました。多くは持病の悪化などです。避難所の環境、居住配置、ストレスケアなどを考慮する必要があります。また「生活不活発病」の予防策も必要です。

避難所から、さらに必要があれば仮設住宅に移ることになります。仮設住宅は災害救助法に規定され「住家が全壊、全焼又は流出し、居住する住宅がない者であって、自らの資力では住家を得る事ができないものを収容する。」となっています。使用期限は2年が原則。使用料は無料だが、水道・光熱費は入居者負担となっています。しかし、東京という所は普段住んでない人、つまりビジネスで出張して来てる人、通勤、通学で通って来ている人、観光客など、いわゆる「昼間人口」問題があり、災害が起ると生活する場所が無い人々なのです。試算では首都圏では162万人が1ヶ月以上避難生活をするようになるというのです。避難所が足りないのです。そして、仮設住宅を建てるスペース確保も問題でしょう。

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新しい視点

建物の倒壊は中にいる人の生死にかかわるだけでなく、

1.倒壊により火災が発生しやすい。
2.道路をふさぎ、避難や救援活動を妨げる。
3.避難生活が長期化し復旧、復興が遅れる

という社会悪になってしまいます。家屋の耐震化をお願いします。
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ワンポイントアドバイス

災害を考える時、防災、防犯、福祉は一体のものとして捉え「顔の見える関係」のもと地域の関係性を築いてゆくことが鍵。つまり、よきコミュニティこそが災害にも、犯罪にも強いということになるのです。地域の住民同士が話し合い、いざというときに避難の呼びかけや、誘導、救出、救助、初期消火、避難所の運営などを行うため、自主的に組織される地域自主防災組織というものがあります。防災訓練や住民への防災啓発活動も実施します。2012年4月1日現在で、全国で組織カバー率は77.4%となっています。大災害時には行政ができることには限界があります。行政にのみ依存しないで自分達の地域は自分達住民で守ってゆく姿勢が必要とされています。

ちなみに、大災害時の救出に必要な「三種の神器」はのこぎり、バール、ジャキだそうです。過去の震災では、消防署に問い合わせが多くあったようですが、消防署でもそんなに沢山置いてあるわけではありませんので、こういった資機材を町内会ごとに備えておくのが賢いでしょう。




災害支援団体クラッシュジャパン次期東京災害対策担当 
日本防災士機構認定 防災士
栗原一芳
crashkazu@gmail.com
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防災士って何?

大災害の時には行政もできることが限られています。防災を国や地方団体に任せきりにしないで、国民レベルでも地域自主防災組織を立ち上げたりして意識を高め、備えをしてゆく必要があります。そこで、日頃から防災について十分な意識と一定の知識・技能を持ち、防災リーダーとして総合的な防災力向上の中心となって、行政と住民、また支援団体などの防災関連団体との橋渡しとなる存在が必要とされています。「防災士」はそのような役割を担う存在として、自宅、職場での家具固定、防災講演や研修、演習の実施、地域防災訓練への参加、ラジオ、テレビ出演、被災地でのボランティア活動などに携わっています。

日本防災士機構認定の防災士になるには、防災士研修センター主催の2日間の講座に出席し、資格試験を受けます。また、消防署などで行っている救急救命技能認定も受けている必要があります。詳しくは以下のサイトへ

http://www.bousaishi.net/

2013年5月30日木曜日

防災 それ間違ってます (1)


防災に関して結構、多くの誤解があります。それらについて見てみましょう。

Q. 防災?どこから始めたらいいんでしょう?やっぱり食料と水の備蓄?
  
食料と水は生き延びてからの話です。阪神淡路大地震でははじめの5分で9割の方が亡くなりました。亡くなった方の8割は、地震直後に家屋の倒壊、家具の下敷きなどでの窒息死、圧死です。焼死も結局、下敷きになって動けなかった人が火災の餌食になってしまったのです。ですから、まず何と言っても家の耐震化(特に1981年以前に建築された住居は要注意です。どうしても耐震化ができな場合は少なくも、寝室を2階にしてください。家は倒壊しても2階に寝ていて助かった例もあります。)それから家具の固定です。震源が遠くても長周波地震動で高層ビルの上階は地上の震度より1ランクアップしてしまいます。地上が震度5でも上階は震度6の激震となります。オフィスならオフィス機器(キャスター付きのコピー機など)の固定、住居ならテレビ、冷蔵庫、タンスなどの固定をしっかりやってください。それらが動き回り凶器となります。3:11の時、ある練馬の高層マンションでは、8階ではほとんどダメージがなかったものの、11階では食器棚からお皿が飛び出てフロアーに散乱し、ベランダに出る重たいガラス扉が自然に開き、15階では冷蔵庫が倒れたという報告を聞いています。無防備なゆえの無駄な死に方は絶対にしないでください。南海トラフでも耐震化を8−9割進めれば建物災害は4割減らせるという試算も出ています。まず命です。


Q.  では備蓄は3日分で大丈夫?

南海トラフ地震では避難者950万人が出る「国難」です。つい、最近、被災地となる可能性のある地域では住民が1週間分の食料を備蓄するよう勧告がなされました。南海トラフでは被災地が広範囲に広がっており、道は寸断され、コミュニケーションも難しくなるので、通常4日目から搬入される食料の調達が難しくなるためです。また、食料より瓦礫の撤去や行方不明者の捜索などが優先されるからです。都心の高層マンションではエレベーターが止まり、陸の孤島となるので、1週間分あったほうが安心です。大きいマンションでは管理組合と話し合って共有できる備蓄方法を考える事もできます。住宅地でも町内会のような地域コミュニティの絆が震災前から強まっていれば助け合う共有の備蓄を考える事が可能になります。家庭の冷蔵庫や戸棚には通常の食料だけでも3日分くらいはあるのではないでしょうか?カセットコンロがあれば調理の幅が広がります。優先順位としては食料より水でしょう。


Q. ライフラインは1週間もすれば戻るんでしょう?

まず、最初に復旧するのが電気です。変電所のトラブルなら1−2日のうちに何とかなりますが、配電設備が被害を受けた場合は数日から1週間程度とされています。しかし、現在、東京の電力のほとんどは火力発電に頼っています。東京湾岸には12基の火力発電所があります。首都直下地震の場合は湾岸を震度6強から7の激震が襲います。火力発電所の倒壊、液状化、地盤沈下の可能性があります。さらに燃料の液化天然ガスは輸入なので、湾岸が落ち着くまでは輸送船が接岸できない事もありえます。そうすると停電が長期に渡る事もありえます。

ガスは震度5程度以上で各家庭のマイコンメーターにより供給がストップされます。これは各自で再スタートできます。震度6以上で大手ガス会社は地域単位でガスの供給を元から止めてしまいます。東京の地下に張り巡らされたガス管が破裂しダメージがあれば数日では回復しません。東京では地下水が上昇して来ている問題があり、激震→液状化→地下水の噴出と地盤沈下→地下配管の破裂はかなりあり得る話です。

水は上水道配水管に被害があると復旧完了までほぼ30日かかります。3日では復旧しないことを覚えておいてください。また、下水道にダメージがあればトイレの水を流せなくなります。飲み水と共に非常用トイレの用意は必須です。会社や学校には仮設トイレや簡易トイレの備蓄をお願いします。避難所でトイレを我慢して病気になる人も出ますので、深刻な問題です。避難所では女性にも配慮したトイレを十二分に準備してください。

(つづく)

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ワンポイントアドバイス
今、地震が起ったら・・・具体的にイメージしてください。

防災に関しては「想像力」がとても大事です。人はイメージできない事に対処できません。そうするとオロオロするだけです。

さあ、台所で料理をしている時、緊急地震速報を聞きました。どうします?
テーブルの下にもぐる前に大声で「地震が来る!」と家族に叫んで知らせてください。速報が聞こえてないかも知れません。数秒あったのでガスを消して、調理台から1mくらいのところにある食卓テーブルの下に隠れます。でもそこでは、料理している鍋が飛んでくるかも知れません。料理中なのでたまたま地震ロックをしてない食器棚からお皿が雨のように降ってきます。スリッパは履いてますか?激震では軽いテーブルの下に隠れてもテーブル自体が移動してしまいますので、できれば重たいしっかりしたテーブルの下に隠れテーブルの足に掴まってください。震度7では掴まってないと転がってしまいます。揺れが収まったので次の余震が来る前に玄関から外に出ようとすると下駄箱が倒れていて出口を塞いでいます。などなど前もって想像して、対策をしておいてください。


クラッシュジャパン次期東京災害対策室
crashkazu@gmail.com  (栗原)
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防災士って何?

大災害の時には行政もできることが限られています。防災を国や地方団体に任せきりにしないで、国民レベルでも地域自主防災組織を立ち上げたりして意識を高め、備えをしてゆく必要があります。そこで、日頃から防災について十分な意識と一定の知識・技能を持ち、防災リーダーとして総合的な防災力向上の中心となって、行政と住民、また支援団体などの防災関連団体との橋渡しとなる存在が必要とされています。「防災士」はそのような役割を担う存在として、自宅、職場での家具固定、防災講演や研修、演習の実施、地域防災訓練への参加、ラジオ、テレビ出演、被災地でのボランティア活動などに携わっています。

日本防災士機構認定の防災士になるには、防災士研修センター主催の2日間の講座に出席し、資格試験を受けます。また、消防署などで行っている救急救命技能認定も受けている必要があります。詳しくは以下のサイトへ

http://www.bousaishi.net/

2013年5月20日月曜日

自分の命は自分で守る



 次の大地震はどこか?

東日本大震災で太平洋プレートが東日本が乗った北米プレートをぐいぐいと押して陸地は西へ移動していたものが、3:11の大地震でエネルギーは放出され、逆に内陸が海のほうへ引き延ばされ、東に最大6m動いた。さて、現在、四国では過去70年に北西へ2.3m動いているという。つまり、フィリピン海プレートが陸側を押して来ており、エネルギーが蓄積されているということだ。エネルギーの歪み的には先ず、南海トラフ、そして北海道東方沖、そして、相模トラフとなる。現在の長期予測としては、東海地震発生確率は今後30年で88%。東南海地震は70−80%、そして、南海地震は60%程度。しかし、東海地震が遅れることで時間が経過すると東南海、南海地震の発生周期も近づき3連動になる可能性も高くなる。首都圏直下に関しては最近、東北大学がM7で5年以内に17%との想定を発表した。これは先に発表されている東大の4年で50%に比べると低いが、それでも大きな確率といえる。琉球大学名誉教授で海洋地質学者の木村氏によれば、富士山噴火は2015年までに起るという。世界的の歴史を見てもM9クラスの地震の後には必ず、近くの火山が大爆発をしている。


防波堤は大丈夫か?

(南海トラフ/東海地震)では4mの津波が名古屋湾を襲う。激震により名古屋港の高潮防波堤が液状化により最悪2.9m沈下してしまい、津波を防げない可能性が指摘されている。その場合、津波は湾岸地域を飲み込み、名古屋駅周辺にまで到達するとされる。湾岸の8000のコンテナが流れる凶器となる。

東京湾の堤防は3.5m。南海トラフ地震では3時間遅れとは言え、3m津波が押し寄せる。液状化で堤防が沈下すれば、浸水は避けられない。月島駅あたりは海抜0.9m。墨田区では海抜マイナス1.5mのところさえある。東京湾北部地震では、老朽化した水門に震度6−7の激震が襲う。水門は閉まるのか?東京都の想定では水害で死者は出ない事になっているが、どうも甘い想定ではないか? 地下鉄への浸水があれば大惨事に繋がる。2005年の水防法改正により、浸水想定区域や避難情報を住民に周知することが市町村に義務付けられた。2012年12月5日現在、1226町村で公表されている。


路上は大混乱

中央防災会議の見解では、首都圏に大地震が起こり、人々が帰宅を急いで外に出ると、1平方メートルあたりに6人というラッシュ時の電車状態に巻き込まれ3時間以上立ち往生する人が200万人出るという。しかも、都心の道路は液状化や落下物で決して安全とは言えない。「むやみに移動しない」が何と言っても基本。しっかりした比較的新しいビルであれば、ビル内のようが安全と言える。また、162万人以上が1ヶ月以上避難民となるという。仮設住宅は圧倒的に足りなくなる。東京は東京以外からの訪問者も多く、土地勘がないのでパニックを起こしやすい。地下ショッピング街、また、最近開発されている駅構内のショッピング街でも危機管理者を置き、避難指示を適切に出せる様、訓練が必要とされる。改札内は人の溜まるところではないということで、スプリンクラーの設置は義務付けられていない。しかし、駅こそ災害の時は人が溜まる危険な場所なのだ。


だから、自主防災が大事

ハザードマップなどは一応頭に入れておく必要はあるが、それに信頼しすぎない。人為的に与えられた想定に依存しすぎない。自然災害においては「想定外を想定しておく。」自らの命の安全を行政など誰かに委ねることなく、主体的にそのときの状況下で最善を尽くす。状況を見て、避難勧告を待たずに避難する必要も時にはある。率先避難者となり周りを避難させる事も大事。大規模災害などの場合、住民は災害発生から72時間は、公的な助けは期待できないので、自分自身で対応を行う心構えが必要となる。

レストランや宿泊場、劇場、ショッピング街に行った時は、先ず周囲を見て、出口、避難口、消火器、などを確認しよう。それから天上を見上げ落下物はないか、近くに倒れて来るような物はないか確認しよう。

まだまだ携帯ラジオを携帯している人が少ない。1000円以下でも購入できるので1つバッグに入れておいて欲しい。とにかく情報がライフラインとなる。そして大災害の時はコミュニティFMなどの地域密着情報が役に立つ。

総務省消防庁のツイッター@FAMD_japanや首相官邸(災害情報)@kantei_saigaiで災害関係の双方向情報を得られるので,これも参考に。

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2013年5月14日火曜日

自然災害大国 日本


2011年の国連大学のリポートによると、自然災害世界ワースト5が日本である。日本列島は国土の約7割が山地。しかも、ロッキー山脈のように岩山ではなく、土砂で、できているので地質は脆弱。日本には2000の活断層があるといわれる。うち確認され、長期評価されたのは、110に過ぎない。日本列島はヒビだらけなのだ。そして、日本は世界4番目の多雨国。世界平均の2倍の雨が降る。当然、土砂災害が起る。毎年平均して1000件を超える箇所で土砂災害が発生している。土砂災害危険箇所は全国で52万カ所に昇る。活火山は海底火山を入れて110。これは世界第二位。常時観測は47と半数に満たない。火砕流の内部温度は数百度、その流下速度は時速100キロ。火砕流の通った後は焼け野原で生存者はありえない。最近は台風や竜巻、による被害も増えている。都市部ではヒートアイランド化によりゲリラ豪雨が発生する。マンホールや排水溝で飲みきれず、内水氾濫が起る。都市型浸水被害の半数以上はこのケースである。

地震についてはマグニチュード8.0以上の大地震も世界の約2割が日本で起っている。日本列島の周辺には4枚のプレートがひしめき合っている。その中には最近活発化しており、南海トラフ地震を引き起こすフィリピン海プレートがある。北米プレートとユーラシアプレートの境界が日本列島の中央部を横断している。その境界が糸魚川・静岡構造線(大活断層)である。都市部の大地震は同時多発の火災を発生させる。また地盤沈下や液状化、長周期地震動を発生させる。海溝型地震は50−100年おきに発生し、内陸型地震は1000年から1万年の間隔で発生している。また、世界ではM9の地震の後、火山噴火が起っている。2011年東日本大震災の発生直後に東北から関東にある13の火山の周辺で地震活動が一時活発化した。3月15日には富士山直下を震源とするM6.4の地震が発生。震源は富士山のマグマ溜まりの直上だったそうだ。噴火しなかったのが奇跡と言われている。

日本がそういう国であることを認識し、偽りの安全を吹聴するより、危険を踏まえ、しっかりと防災をし、減災をしてゆくことが大切だ。国難といわれる南海トラフ地震でも防災努力によって犠牲者を8割、建物被害を4割減らせるという想定が出ている。事前対策がなにより重要なのだ。災害においては1ドルの投資が災害後の7ドルの節約となるという。そのために、まず危機管理を日常に根づかせること。アメリカの会社では過半数の大企業で危機管理役員を置いている。日本では約2割に留まる。2011年11月に内閣府が実施した調査によれば、事業継続計画(BCP)の策定率は大企業で約46%、中堅企業で約21%という状況である。2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」の実行計画において、事業継続計画の策定推進や実効性の向上が盛り込まれ、2020年までに実現すべき成果目標として、事業継続計画の策定率を大企業はほぼすべて、中堅企業は50%以上とすることが揚げられている。

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