2016年2月16日火曜日

災害時の連携を考える

災害時の連携を考える全国フォーラム (JVOAD) 
〜つながりはそなえ〜



2016年2月12(金)−13(土)両国駅近くのKFCホールを会場に「災害時の連携を考える全国フォーラム(初回)が行われた。2日間で延べ333人が参加。もともとはアメリカで救世軍が政府に呼びかけて始まったものらしい。VOAD (Volunteer Organizations Active in Disaster)という。是非、災害の多い日本でも、ということで視察団がアメリカに飛んだ。現在、日本ではJVOAD代表に栗田暢之氏、JVOAD事務局長に明城徹也氏が就任している。

今回のフォーラムは主催が「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)」後援に、内閣府政策統括官(防災担当)、日本財団、日本生活協働組合連合会、日本赤十字社、経団連1%クラブなどが入っている。


オープニングでJVOAD代表の栗田暢之氏が挨拶した。

阪神淡路はボランティア元年と言われた。3:11はNPO元年。自治体以外のNPOの活躍が目立った。社協等の地元ボランティアセンターを通して140万人が支援に来た。赤い羽根共同募金に関わった人は500万人に及ぶ。企業の協力も大きかった。ただ十分情報の共有が出来ていたとは言い難い。そこで2016年はネットワーク元年としたい。」


続いて内閣府政策統括官(防災担当)の加藤久喜氏から、公助(行政)の限界が語られ、ボランティア団体の連携の必要性が語られた。経団連1%クラブの斎藤仁氏からは「支援する人を応援するため企業がお金を出す。被災者を支える人を支える。」ことが語られた。



参加者は支援団体のみならず、以下のカテゴリーに分けられる。

1)      行政関係
2)      社会福祉協議会
3)      NPO (社団法人など) 
4)      企業・経団連・日本青年会議
5)      大学・研究所関係

これだけの幅のネットワーク(協働)ができれば素晴らしい。救世軍を始め、真如苑など宗教団体も幾つか参加していた。

フォーラムを通じて語られた必要は・・・

団体同士の情報交換の「場」とコーディネーションの必要
どこに行けば何がわかるのか? 信頼できる被災地の中間支援組織  
 (個々の支援団体をネットワークする窓口)の存在の必要。
国、県、自衛隊、NPO/NGOの4者による4者会議。
だれがリーダーシップをとるのか明確に
「切れ目のない、漏れのない支援」のためのパッチワーク型ネットワーク。
  それぞれの強みを生かした協働が必要。



初日午後の分科会は以下のとおり

1.      心身の健康を守る最低限の避難所環境を整えるための協業。
2.      災害時に機能する都道府県域の支援ネットワークづくり
3.      東北の今、復興期だからこそ必要な協働のかたち
4.      被災者支援における、行政と市民セクターの連携
5.      災害対応における助成のあり方。

2日目午後の分科会は

1.      災害対応における助成のあり方。
2.      多様性に配慮した被災者支援:課題と展望
3.      都道府県で平時に行う訓練・研修のあり方
4.      災害に備えた市区町村域のネットワークの構築 
5.      国内災害時の海外支援の受け入れ 


 
2日目の午前中は「南海トラフ地震発生シュミレーション」。地震が発生し、西日本に壊滅的なダメージをもたらせていると想定。自分の支援団体はどの町に出向き、どういった支援をするのかをスマホ、タブレットでアプリに入力、それがスクリーンの地図に表示されていく。



それにより、どの地域に支援が集中し、どの地域には支援が薄いかが一目瞭然となる。一般社団法人「情報支援レスキュー隊 ItDART」(http://itdart.org/)のテクノロジー提供による。このようなテクノロジーが実践で使えれば支援の重複を避けられる。






これからの課題として、未災地(今後災害がある地域)の自治体の職員、社協の職員は災害に関しては未経験で自信がない。彼らも訓練が必要。災害は県域を超える。部署を超える。赤十字など現場経験のある人がシロウトを訓練する必要がある。今、被災していない人は「未災」なのであって、明日、自分が「被災者」になるかも知れない危機意識が必要。今回、東京の危険地区の足立区や墨田区の社協が来ていたのは良かった。また、企業がさらに「支援する人を支援する」体制を強めてゆく必要もある。

コーディネート力 企業、NPO, 社協、行政がどう協働できるか?
あだ名で呼べる関係つくり 無理が言える間柄をどう作るか?
行政と民間がどんどんお互いに出向き、一緒に働くには?
ネットワークとして機能するには、事務局VS参加者にしない。全員参加型
  にするには?

クロージングで、栗田氏から今後のJVOADについて提案があった。
1.      法人化する
2.      研修の機会を設ける
3.      テーマごとの分科会をする
4.      全国フォーラムを毎年行う

このような動きが始まったことは画期的。ネットワーク元年!今後に期待したい。

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〜つながりはそなえ〜
JVOADのサイト
http://www.jvoad.jp/
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一般社団法人 災害支援団体 クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士

栗原一芳 (くりはら かずよし)
contact@crashjapan.com