2014年6月6日金曜日

相模トラフの巨大地震—房総半島東南沖が危ない?!



(相模トラフ新予測)


東京の地震の発生確率は下がったの?上がったの?

最近、ある人と話していて「東京の地震は30年で5%になったと新聞記事で読んだ。発生確率が低くなったのかな。」そういった記事を見た人もいるだろう。ただ、誤解しないように、説明が必要だ。これは、関東大震災を引き起こした相模トラフを震源とする海洋型地震の話しで、東京の真下を震源とする内陸型直下地震の話ではない。内陸型直下地震のほうは東京湾北部を震源とする可能性は低くなったものの、都心南部を震源とするM7級(最大震度7)の地震は今だに30年で70%という高確率だ。相模トラフを震源とする地震は、30年では0%−2%だったのが、3:11を契機に確率が高まったとして5%に引き上げられている。したがって確率は下がったのではなく上がったのだ。



関東を襲う地震にはどういうタイプがあるの?



図のように関東は北米プレートに乗っているが、そこに南からフィリピン海プレートが潜り込んでいる。そのプレッシャーで地震が起るが、以下の3つのタイプがある。


1.相模湾海底のプレートの境目で起る海溝型地震 
震源は海の底。古くは元禄地震、また、1923年の関東大震災はこれにあたる。海溝型は内陸型より規模が大きく、また津波災害も起こす。

2.潜り込mフィリピン海プレートと上に乗っている関東の陸地との軋轢で起る内陸型
震源は首都圏の真下となる。M7級が関東大震災型海溝地震の前に数回起ると言われている。震源が割合浅い地点で直下であるため、M7でも最大震度7となる。

3.関東の陸地にある断層が動く断層型地震
  すでにひび割れがある断層が何らかのプレッシャーで動いてしまう。発生確率は低
  く、被害エリアは局地的だが、一度起れば、断層上のエリアは甚大な被害が出る。阪
  神淡路大震災はこのケース。ちなみに、関東では高確率順に、富士川河口断層帯(1
  0−18%)、神奈川県の松田断層帯(0.2−16%)、そして立川断層帯(0.5
  −2%)となっている。


  (関東活断層)



相模トラフで起った地震、これから起る地震

関東南部の地下は、フィリピン海プレートと呼ばれる海側のプレートが陸側のプレートの下に年間4センチほど沈み込んでいる。2つのプレートの境目では、神奈川県から房総半島の西に当たる領域を震源域として、90年前に関東大震災を引き起こした巨大地震が発生している。さらにおよそ300年前には、神奈川県から房総半島の東の沖合にかけての領域を震源域として元禄型巨大地震(M8)が発生している。つまりこの周辺は、マグニチュード8クラスの地震が繰り返されてきたことになる。

1677年の延宝地震(M8)の時は、大津波が発生し、いわきから房総にかけて死者、不明者500名以上の犠牲者が出た。1703年の元禄地震(M8.2)の時は、関東の陸地も震源域に入り、東京で震度6、横浜で、外房で震度7だった。津波による死者は2300人以上。小田原で被害大。津波は外房で3−5m、東京湾内は2m。1923年の関東大震災では、M7.9。最も震度が大きかったのは小田原付近で、津波は東京湾奥で0.3−0.4mであった。

1953年の房総沖地震(M7.4)以来、この方面では大きな地震が不気味に途絶えている。最近、このエリアでスロースリップが確認されており、これでプレッシャーが抜けたのか、巨大地震の前触れなのか、専門家でも意見が分かれているようだ。

関東大震災(1923年)を引き起こした巨大地震は、神奈川県から房総半島の西を震源域として発生したが、最新の研究で、房総半島の東側でマグニチュード8クラスの巨大な地震が起きる可能性があることが分かり、専門家が調査を進めている。震源域は相模湾と房総半島南東沖に大別され、前者は関東大震災の震源域で、両者が連動すると大規模な元禄型関東地震が発生。ただし房総半島南東沖が単独で地震を起こすことは想定されていなかった。しかし、2012年3月26日、房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長大な2つの活断層が存在するとの調査結果を、広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループが25日までにまとめたというニュースが入った。長さは160キロと300キロ以上で、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8~9の地震を起こす可能性があるという。

産業技術総合研究所の宍倉正展チーム長は、房総半島の東側ではこれまで知られていない巨大地震が起きていた可能性があると指摘している。宍倉氏は「関東では未知のタイプの地震が起きていた可能性がある。首都のすぐ近くで巨大地震が起きるかもしれないと考えておく必要がある」と話している。

(房総沖地震)


国の中央防災会議でも、新想定に延宝房総沖地震(1677年)の評価を初めて盛り込んだ。揺れに比べ津波が大きい「津波地震」の可能性が高いとして、日本海溝と伊豆・小笠原海溝をまたぐ領域に震源域を設定。この領域のプレート境界地震の発生確率は30年以内に7%で、東日本大震災の影響で誘発される可能性がある。房総半島の太平洋側を中心に6~8メートル、最大で17メートルの津波を想定し、対策を求めている。


火山と大地震の連鎖
琉球大学名誉教授の木村政昭氏によると、南関東の大地震にはパターンがあるという。まず、火山の大噴火それから、東北、北海道での地震のシリーズ、つぎに三宅島や大島三原山が小噴火する、そのあとにやってくるのが南関東の大地震だという。今回、すでに三宅島での大噴火、北海道、東北の地震シリーズは終わっている。そして、3:11の後、大島付近を震源とする地震があったり、三宅島の小噴火があったりしている。

1912年 大島三原山噴火  11年後   1923年 関東大震災(M7.9)
1950年 大島三原山噴火   3年後   1953年 房総沖地震(M7.4)
2000年  三宅島大噴火  11年後   2011年 東日本大震災(M9.0

このように火山の噴火後、計算したように大地震が起っているという。また、世界的に見ると、20世紀以降、M9程度の地震は6回発生しているが、いずれも数年以内に近くの火山が噴火している。火山噴火と地震は密接な関係があると言える。木村氏は富士山の噴火がかなり緊迫していると見ている。木村氏は富士山噴火は2015年までに、房総沖地震の時期は2009年から2015年の間(M7.8)、可能性が大だという。


国は、関東大震災型のM8級、海洋型地震も長期的対策の対象とすることにした。内陸型直下地震よりも発生確率はぐんと低いが、一度起れば、その被害は内陸型の比ではない。これが起ると死者7万人、被害総額160兆円(内陸直下型では95兆円でほぼ国家予算)。神奈川、千葉に6−8mの津波と予想されている。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
一般社団法人 災害支援団体 クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士

栗原一芳
crashkazu@gmail.com

2014年5月15日木曜日

そこが聞きたい、富士山大噴火




Q. 日本に火山は、どれくらいあるの? 3:11後の変化は?

A. 日本の活火山は北方領土、海底火山を含めると110もあります!ちなみに
  活火山の定義は最近1万年間に噴火したことがあるか、現在も活発な噴気
  活動をしている火山のことを言います。110のうち、常時、監視体制下
  にあるのが、約半数の47(2010年の時点で)。火山関係の職員不足
  のためらしいです。3:11の東日本大震災後、20の火山で地震活動が
  活発になり監視下にあります。


Q.  大地震の後、火山噴火があると聞きますが本当でしょうか?

A.  世界的に見ると、20世紀以降、M9程度の地震は6回発生していますが、
  いずれも数年以内に近くの火山が噴火しています。つまり100%の確率
  です。3:11以降3年が過ぎていますが、まだ、この1−2年注意が必要
  かもしれません。嬉しくない話ですが、日本は大地動乱時代に入って来て
  います。これから地震や火山が多発する模様です。


Q.  富士山噴火の可能性はどのくらい?

A.  火山学者は100%と言っています。大昔は50−100年の間隔で噴火し
  ていたようです。最後は1707年の宝永地震の49日後に大噴火して以
  来、300年間も静まっています。長く休んだ後の噴火は大きいのです。
  火山学者は声をそろえて富士山噴火はスタンバイ状態と言っています。実
  は3:11の4日後、3月15日に富士山直下を震源としM6.4の地震が起
  こり、富士宮市で震度6を記録しました。



  その後箱根山周辺で地震が頻発しています。ご存知のように、河口湖の水
  位低下、富士登山道路の亀裂など、富士山周辺に異変が起きています。火
  山周辺での地震の頻発は火山噴火の可能性を示していると言えるでしょう。
  琉球大学名誉教授の木村政昭氏は「私の試算では2011+3年。大雑把
  に言っても2020年までには噴火が起きる可能性は否定しきれない。」と
  断言しています。


Q.  突然、ボーンなの? 事前に噴火は予知できるのですか?

A.  地震は突然襲ってきますが、噴火には前兆があり、1ヶ月程度事前にわか
  ると言われています。それだけ、避難する余裕はあるということです。簡
  単に言えば、マグマが地表に向かって上昇してくるので、地震が多発する
  のです。初めは、低周波地震、マグマが上がってくると、体に感じる高周
  波地震、そして、火山微動と山体上部の1ミリ程度の膨張。

    

  また地下水の温度上昇などが見られます。富士山の場合、今すぐ噴火とい
  う兆候は無い様ですが、その1ヶ月の兆候が明日始まる可能性は否定でき  
  ないのです。いずれにしても気象庁で常時観測しているので、警告や避難
  勧告が出されます。


Q. 国は自治体は対処を始めているんですか?

A. はい。国と周辺3自治体は2013年4月9日に溶岩流を想定して噴火避難
 マップを策定。溶岩流の流れるルートなどで17パターンのシュミレーシ
 ョンを作っています。想定によると最大で避難民が75万人に及ぶ壮大な
 避難計画となります。ただ、東京での対策は具体的には取られていないよう
 です。


Q. 噴火するとどうなるんですか?

A. まず、空振(くうしん)という爆発による衝撃波がやってきます。近辺の建 
  物の窓ガラスなどが割れる可能性があります。それから、溶岩流、これは 
  流れ出たマグマです。温度は1000度にもなり触れるものは燃え尽くさ
  れます。スピードはゆっくりで、駿河湾まで到達するのに1週間程度と言
  われています。



  また、吹き上げられた火山岩塊が降ってきます。次に火砕流。溶岩片と火
  山ガスの混合体で時速100キロで地面を下ってきます。600−700度
  もあり、通り道にあったものは焼き払われ、生存者はあり得ません。さら
  に火山泥流。町ごと飲み込む泥の川です。これは時速60キロ程度。また、
  地震や噴火で大規模な崩壊が起こり山の型が変形してしまうこともありま
  す(山体崩壊)。残念ながら、今我々が見ている美しい富士山はいつまでも
  あの型なのではないのです。

  そして火山灰。火山灰が作物に積もると枯れ死するなどの被害が出る他、
  もし、2週間以上噴火が続くと、富士山周辺では1m−3mの降灰があると
  され、その重みで電線が切れたり、家屋がつぶれるなどの被害も出ます。
  300年前の噴火では横浜で10センチ、江戸で5センチの火山灰が積も
  ったそうです。

Q. そもそも火山灰とはどんなもの?

A. 溶岩はやって来ないとはいえ、火山灰被害は東京でも相当なものになると予
  想されます。噴煙は上空20キロの成層圏まで到達し、偏西風に乗って2
  時間ほどで、首都圏にやってきます。まず、知ってください。火山灰は灰
  というイメージとは違い、実はガラスを細かく砕いたものなのです。



  当然、肺に入れば、気管支が侵されますし、目に入れば角膜にダメージを
  及ぼします。まず、コンタクトレンズは使用できません。首都圏で125
  0万人に健康被害が出ると予測されています。火山灰は雪のように溶けま
  せん。除去しない限りづっとそこにあります。しかも重いのです。水で流
  してはいけません。固まってしまいます。スコップで集めて、袋にいれ、
  よそへ持って行くしかありません。


Q. 交通への影響は?

A.  予測では成田で4センチ、羽田で8センチ積もるようです。当然、飛行場
  は閉鎖されます。また、飛行中の飛行機のジェットエンジンに火山灰が入
  り込むとエンジンがストップします。実際、過去には、このような事故が
  ありました。道路は数ミリの降灰で車はスリップします。それ以上降れば、
  首都高などは閉鎖でしょう。幹線道路の灰除去に4日はかかるという試算
  もあります。また鉄道も運転見合わせとなり、多くの帰宅難民も出ます。
  もし、溶岩流が南に流れ駿河湾に到達するということになれば、新幹線、
  東名高速などもストップし東西の交通が遮断され東京は陸の孤島となる可
  能性があります。被害が大きくなる前に遠方へ避難することが望ましいで
  す。また、ガソリンなどもチェックしておきましょう。




Q.  ライフラインへの影響は?

A.  何しろ火山灰は重い、溶けない、そのうえ、ガラス質です。浄水場のフィ
  ルターに溜まれば、ろ過装置が機能しなくなります。長期の断水の可能性
  があります。また排水溝に詰まれば下水も使えなくなります。火力発電は
  大量の空気が必要です。その空気に火山灰が混じっていれば、発電機が止
  まり、首都圏大停電となります。


Q. メディア、通信への影響は?

A. 機械はホコリに弱いのです。コンピューターなどが誤作動したり停止したり
  する可能性が大です。そうすると今日、ライフラインも銀行ATMもすべて
   コンピュータ—制御なので、それらすべてが機能停止となります。また、電
   話やメールが使えないとなると世界都市東京から情報発信が出来なくなる
   という事態になり、世界的な問題となります。政府は被害総額を2兆5千億
  円としています。家庭では電子機器はプラスチックラップで保護しておきま
   しょう。


Q. 噴火に備えて、どうしたらいいの?

A. さすがに最近はどこの自治体でも地震対策が進んでいますが、意外と準備が
  なされていないのが、火山灰問題です。東京にこれほどの被害が出ること
  がわかっているのですから、もう少し住民に情報を与え、備えをすべきだと 
     思います。首都圏直下地震も富士山噴火も100年、200年先の話しでは
  なく、今年起っても全く不思議ではない状態なのです。
   
  まず、富士山周辺の方々は避難マップにしたがい、とにかく危険地域から
  出ることです。溶岩流、火砕流の通り道では生き残ることはあり得ません。
  ただ、1ヶ月ほどの余裕があるようですから、警報が出たらそれに従い、
  避難することです。

 東京は火山灰対策ですが、とにかく体に入れないことです。ゴーグル、マスク
 が必要です。コンタクトレンズは外してください。どうしても外出しなければ
 ならない時はレインコートなどを着て、玄関先で脱ぐようにして、家に灰を入れ
 ないようにしてください。基本的には屋内待機となるので、できれば灰の重さで
 潰れない、また灰が内部に入りにくいコンクリートの建物に避難することが望ま
 しいです。ライフラインがストップしますので、水、食料の備蓄(1週間程度)
 も必要です。基本的には地震対策と同じですので、すでに多くの家庭では備蓄を
 していると思います。また、停電も予想されますので、手回しライトも必要です。
 またATMがストップすることも考慮して、現金を手元に置いておいたほうがいい
 でしょう。

 多くの指定避難所では住民との事前コミュニケーションや準備が無い状態です。
 そこが避難所に指定されていることは分かっていても、どう運営されるのか話し
 合いがなされていない場合が多いのです。地震そして火山灰対策のためにも速や
 かに指定避難所と避難対象住民との話合いを始めて頂きたいです。地震と並行して
 火山被害についてもしっかりとした知識を得ることから始めましょう。


Q.  噴火災害の隠れた問題とは?

A.  噴火がいつまで続くか分からないということです。地震は数秒ですが、
  噴火は3日なのか、3ヶ月なのか、1年なのか分かりません。噴火してい
  る限り、火山灰が降ってきます。2000年9月1日、東京都は三宅島の
  噴火時、全島民の避難を決定し、3800人が本土へ避難しました。火山
  ガスの放出量は世界に例を見ないほどで、実に4年5ヶ月ぶりに島民は島
  に帰ることとなったのです。島内全地域が居住可能となったのは、噴火か
  ら10年半ぶりだったのです。2010年4月のアイスランドの火山噴火
  では欧州約30カ国の空港が一時閉鎖、1週間に10万便が欠航するとい  
  う事態になりました。被害が大きくなってからでは、避難しようにも交通
  網が断たれてしまうという問題があります。首都圏人口1300万人を避
  難させることは不可能ですが、東京都も富士山噴火は可能性ある問題とし
  て被害が長期化した場合の対応に取り組んで頂くことを切望します。

———————————————————————————————— 

*このQAは日本で指折りの火山学者であり、京都大学の名物教授である鎌田浩毅(かまた ひろき)氏のTV, ラジオインタビューの内容を参考にさせていただきました。
—————————————— 

一般社団法人 災害支援団体 クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士

栗原一芳
crashkazu@gmail.com

2014年4月30日水曜日

被災地の再建と復興



 防災関係者の間では、「復旧」と「復興」とは区別されている。復旧は現状回復だが、復興は、震災の体験を生かし、以前より質の高い状態にすることを意味する。つまり、そこには復興に関わる「意識」や「理念」、「価値観」などが含まれてくる。

大震災が起ると今まで通りでいいのだろうかとの疑問が生まれる。東日本大震災後、こんな発言があった。

「この大震災は日本の次の生き方を考えなさいと神が与えたチャンスと考えるべきだ。」    
                                       (安斎隆 セブン銀行会長  読売新聞2012年1月18日論点)

同じ事を繰り返さないための「次の生き方」が復興の鍵となる。


阪神淡路大震災からの教訓
現実は想定外の災害の中で、場当たり的な再建が進んでしまう事が多い。阪神淡路大震災の時は、住宅の建設に長時間かかり、しかも被災地から遠く離れた場所に供給されたこともあり、震災前の居住者が元に場所に戻れない状況が発生した。これは、商店街の経営にも影響が出て復興が遅れた。また、防災性のある建物を要求した結果、景観や文化が損なわれ, 人々を集める魅力を失ってしまったといったマイナス面も生まれてしまった。


東日本大震災からの教訓




東日本大震災においては、何人かの中学校校長から避難所開設・運営に関して,次のような課題が挙げられている。

1. 市や区の防災対策本部に出向いても避難所の受け入れ体制が学校に丸投げになってい
         るのが腑に落ちなかった。

2.避難所開設の際の行政の方との役割分担の整理と明確化が図られていなかった。

3.区によって,災害対応職員の動きが異なっていたのではないか。指定動員職員の動きと合わせて,町内会との連携を含め,反省を生かして,今後に備えていきたい。

4.震災対応,避難所対応等によって,学校の負担が余りにも大きすぎた。

また、仮設も買い物が不自由な不便な場所に作られ、ちょっとした日常品を買える店を併設して欲しいとの要望があった。

同じ事を繰り返してはいけない。この教訓を生かさなければならない。しかし、予測される南海トラフ、首都直下地震の地域において、このままでは、まったく上記の状況が繰り返されてしまうような気がする。教訓を生かすには、行政任せにしないで、避難所エリアの自治会による避難所運営委員会の立ち上げと避難所図上演習(HUG)が必須である。


福島原発被災地からの教訓

東海地震の震源域の真ただ中になる浜岡原発では、避難に最長30時間かかるという試算が出されている。福島原発事故では地震18時間後に爆発が起きたことを考えると、逃げ切れず被爆する人がどうしても出てしまう。それを分かっていながら再稼働するのだろうか。これが「次の生き方」だろうか?

 

さらに時事通信 428()によると「福島県は28日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴う避難者62812世帯(約132500人)に行ったアンケート結果を発表した。自主避難を含む避難者全体を対象にした調査は初めてで、家族が複数箇所に分かれて避難している世帯の割合が489%に上ることが分かった。」つまり5割が家族離ればなれで暮らしており、ストレスで体調を崩す人も出て来ている。原発事故で、今までの住居を失い、さらに線量を心配して小さい子供を抱えた家族は故郷を離れる場合も多い。また最近の報道で、福島の仮設孤独死34名と報じられている。福島のことは風化しつつあるが、被災は現在進行中である。これを他の地域で絶対に繰り返してはならない。




それを次期首都圏災害にどう生かせるのか?
これは人ごとではない。首都地域は地域のつながりが希薄で、高齢者や災害時要援護者の孤立が心配される。同じ事を繰り返さないため、行政だけでなく、自治会、支援団、NPOなどが連携して対処してゆく体制作りが望まれる。首都東京においては、震災後の東京を見据えて、国が復旧、復興の基本計画を示す必要性があるだろう。経済再建だけではなく、コミュニティの再建を是非、盛り込んで欲しい。


防災団地という考え
















東京は関東大震災、東京大空襲と2度に渡って壊滅的ダメージを受けた。関東大震災においては、火災による死傷者がほとんどで、墨田区、両国付近は最悪の状況となった。しかし、墨田区では現在、「防災団地」と呼ばれるユニークな団地が立っている。昭和57年に建設されたこの「都営白鬚東団地」は、墨堤通り沿いに高さ約40m 18棟が堤防のように横に並び約1kmにも及ぶ 

 左上写真右側が住宅密集地で木造も多い。火災が発生すると住民はこの団地の川沿いの緑地に避難する。この団地が防火壁となる。各棟の隙間には 鉄のシャッター、地上には巨大な防火門がある。(右写真) さらには団地の最上階には10万人の被災者が 7日間暮らしていけるだけの水と食料、 毛布なども備蓄されているという。 屋上には黄色の目立つ給水タンクが装備されている。


さらに、関東大震災では広域避難所に逃げたものの、運び込んだ荷物に火がついて多数の死者が出た。この教訓から避難所スペースには北池と呼ばれる池があり、衣類や荷物についた火を消せるようになっている。この団地は、世界でも珍しい防災遺産との声もある。


















3:11後、被災地では多くの人が住居や「今までの暮らし」を失った。しかし、中には「本当に大切なものが分かりました。」との声も聞かれた。「絆」という言葉がよく聞かれた。その学んだ価値観を生かしてゆけないだろうか?何をもって復興と言うのか? インフラの回復だけなのか? 「次の生き方」を見据えた現状復帰以上のものが望まれる。

——————————————— 

一般社団法人 災害支援団体クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構認定 防災士

栗原一芳
crashkazu@gmail.com