2016年8月3日水曜日

複合災害という国難

先日の熊本地震では、震度7の揺れの後に、豪雨があった。まだ、多くの屋根にブルーシートがかかっていた時である。また、激しい揺れで、すでに地盤が弱くなっているところに豪雨で土砂災害が発生した。このように複数の災害が同地域を襲い、被害を大きくするケースがある。




日本は世界一危険な水害国!?
日本の浸水可能地域は国土の10%。しかし、そこに人口の50%が住んでおり、日本の資産の75%がある。大阪、名古屋、東京といった大都市は湾岸にあり、河口でもあり、基本的に低地(ゼロメートル地帯含む)だ。また、広大な地下街も発達している。日本は世界で4番目の多雨国であり、世界平均の2倍降る。

しかも、国土7割は山で土砂災害も起こりやすい。
土砂災害危険箇所は全国で52万箇所を超える。特に地震後の豪雨だと、表土層だけではなく、深層の地盤まで崩壊する深層崩壊が起こる可能性がある。川の水位をコントロールするのがダムの役割でもあるが、豪雨が下流から上流に移動する場合、下流の水かさが先に増えて氾濫してしまう。また、上流でも異常な雨量でダムの水かさが増し、超流してしまうこともある。事前の土石流対策、地すべり対策がけ崩れ対策が必要となる。

ハザードマップなどでの行政側の「知らせる努力」が必要なのは言うまでもないが、住民側の「知る努力」も必要だ。知らなかったでは済まされない。ちなみに、住宅地選択にその場所の危険度は通常、ほとんど考慮されていない。都会で川が側にないからといって安心してはならない。大都市のヒートアイランド化などで、局地的な豪雨が短時間に降る、そして雨量が排水能力を越えれば内水氾濫となり、たちまち付近は浸水する。道路は川状態に、そして地下街に水は流れ込む。今日、日本で35度の猛暑は例外的ではなくなってきている。地球温暖化に伴い、スーパー台風の進路も北上してきている。いつの日か風速70mのスーパー台風が東京湾を襲う日も来ると考えたほうがいい。


(荒川氾濫想定)


水害時、東京はどうなる?
1)      オフィスビル、マンションの孤立
   浄水場に泥水が流れ込めば水は使えなくなる。また、最近のオフィス
   ビル、マンションは電気系統の制御室が地下にあるので、そこが浸水す
   れば、停電となる。ライフライン(水道、下水、電気、ガス)がやられ
   る。それに道路も浸水して使えなくなる。従って、オフィルビルやマン
   ションは孤立する。水はしばらく引かないので、ボートやヘリによる救
   出となるだろう。
   
   

2)      地下街の浸水
これだけ大規模に地下空間が利用され、しかも洪水危険地帯に位置する国は日本だけだという。水は高いところから低いところへ流れる。電気系統がやられると排水ポンプも動かない。現在、地下鉄の地上入り口に1mの止水板が設置されている。しかし、荒川氾濫時のシュミレーションでは赤羽で2m浸水する。ゼロメートル地帯では最悪5mの浸水となる。当然、1mでは間に合わない。現況では17路線で97駅が浸水することとなる。氾濫水には土砂が含まれているので、それにより止水板がうまく閉まらないこともありえる。ともかく、一箇所からでも水が侵入すれば、地下鉄が水路となって大手町などの都心部まで到達してしまう。荒川放水路完成後80年に渡って、氾濫がないのは、たまたまであって、上流の秩父で、3日間600ミリ降れば、破堤氾濫を起こすと専門家は指摘する。
 

 

(止水板が機能するはずの地下鉄入り口)

3) 台風時の高潮
ちなみに、南海トラフ地震時には3.8mの津波が大阪を襲う。大阪の計画高潮位は3mとして防潮堤が建設されているから、津波は堤防を乗り越え、確実に市街地に達してしまう。東京湾の場合は、首都直下型地震ではほとんど津波は起こらないとされる。東京湾海底の地形から、過去に大きな津波がなかったことが分かる。しかし、スーパー台風の高潮は5mとも言われる。そうすると確実に堤防を越え、市街地に水は侵入する。津波と違って高潮の場合、堤防が壊れても、台風が過ぎてしまうまで潮位が下がらず、被害は拡大する。

首都水害の場合、地下空間水没と地下鉄資産の喪失(6ヶ月の運休)などを入れ、経済損失は91兆と見積もられる。これは首都直下型地震の被害総額95兆に匹敵する。つまり、地震だけではなく、首都水害でも同様に「国難」となりえるのだ。今後怖いのはテロ水害だろう。


複合災害
東京は直下地震が今後30年で70%という高確率であり、さらに台風による東京湾の高潮、豪雨による荒川の氾濫などが現実として予測されている場所である。また、富士山の噴火も2020年までと見る専門家もいる。もし、それらが同時期に起こったらどうなるのだろうか。起こらない保証はないのだ。1707年、宝永地震(M8の南海トラフ3連動地震)が発生。死者5038名。その49日後に富士山が噴火。真昼でも薄暗く、江戸に4センチの火山灰が降ったという。今の東京都心に4センチの火山灰が積もると交通は全面的に止まり、通信システムにも影響が出る。さらに古くは869年の貞観地震(東日本)の9年後の878年に関東地方で大地震、されに18年後の887年に東海道沖でM8.0~8.5)の仁和(にんな)地震が起きている。もし歴史が繰り返されるなら、2011年東日本大震災の9年後、2020年東京オリンピックの年に関東地方の大地震(首都直下型地震)が起きることになるし、やっとそれから回復した頃に南海トラフ地震が起きる可能性があるということになる。過去の周期から見ても2030年代には3連動(南海、東南海、東海)の南海トラフ地震が起きる可能性は大きいのだ。

——————————————————————— 
巨大複合災害過去の例

江戸末期の185412月23日、24日に安政東海(M8.4)安政
  南海地震(M8.4)が32時間差で発生、死者3万人。
185511月11日安政江戸地震(M6.9)で死者約1万人。
18569月23日には安政江戸暴風雨(台風)、東京湾で巨大
  高潮発生、死者10万人。
                   これらは1年おきに発生した!

現代版に翻訳すれば、「南海トラフ地震」1年後、「首都直下地震発生」、その1年後、「スーパー台風」が東京直撃ということになる。「日本水没」(朝日新書)著者の河田恵昭氏は安政の巨大複合災害の失策により民衆の不満が鬱積し、内圧と外圧が相乗して明治維新新政府が実現したと見ている。相次ぐ自然災害で江戸幕府は弱体化していた。大災害は政治的体制にまで影響を及ぼす。


今後ありうる巨大複合災害

20XX年〜:
首都直下型地震発生 死者:約2.3万人。被害総額95兆円。
首都水没発生、死者:約15.9万人 被害総額91兆円。
南海トラフ巨大地震発生 死者:約32万人 被害総額220兆円
    富士山噴火




   世界都市東京が壊滅状態となれば、為替、株価、国債にも多大な影響が    
   出る。
————————————————————————————— 

避難しない人々
東日本大震災の津波被害の大きな原因は住民の避難が遅れたことにある。避難しない、あるいは津波が来襲してから避難する人が30%だったそうだ。避難しない人が3割もいるのには驚くが、緊急時には「正常化バイアス」が働いて、「まあ、大丈夫だろう。ここまでは来ないだろう。自分は死なないだろう。」と思いがちだ。また大多数の人が避難しないと、「皆がここにいるんだから大丈夫」と思ってしまう。それ以来「率先避難」の必要が語られている。

さて、荒川氾濫の単災害でも、足立区、台東区、墨田区などは全区避難となる。
そのような100万人単位の避難をどうするのかという問題がある。首都直下地震だけでも帰宅難民が首都圏で800万人、2週間後の避難民が700万人となる。1日の食料だけでも数万トンとなる。とにかく東京は他の地域と比べ物にならない数の被災者が出る。しかし、近年は避難勧告があっても実際避難する人が極端に少なくなっているという。同上の書からの統計だが、

2000年東海豪雨災害 愛知県での避難率9%
2006年11月、2007年1月に発生した北海道千島沖地震での津波警
  報下の避難率はそれぞれ、13.6%、8.7%。
2010年チリ沖地震津波警報では避難率3.8%

低い避難率は致命的となるにもかかわらず、なぜ逃げないのか?それには災害未経験者は避難情報を軽視する傾向があるという。また、高齢者が避難のタイミングを失いやすいことも指摘されている。


防災啓発と積極的取り組みを


 最後に河田氏はこう結んでいる。
「このようなリスクを前に、首都圏ではあまりに無防備である。その最大の原因は、そこに住む人々、そこで働く人々の無関心である。しかし防災意識を啓発できない政治家、官僚、自治体職員、研究者、マスメディア関係者にも大きな責任がある。・・・・首都直下地震と首都水没という『複合災害』を考えた時、この国難に対する国家安全保障の取り組みがあまりにも貧弱である。・・・このような首都圏の現状は『壊滅』という氷山に向かうタイタニック号に例えられる。」









————————————————— 
参考本
「日本水没」河田恵昭 著  朝日新書
「首都水没」土屋信行 著  文春新書

 *本記事で使われている写真はイメージです。
————————————— 

一般社団法人 災害支援団体 クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士

栗原一芳 (くりはら かずよし)
contact@crashjapan.com


2016年4月30日土曜日

「熊本地震から学ぶ事」

————————————————————————————
熊本地震は、2016平成28年)4142126分以降、熊本県及び大分県で連して発生した一連の地震である。まず4142126分頃に、熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード6.5(暫定)の地震が発生し、益城町で最大震度7測された。さらに、その28時間後の416125分頃には、同じく熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.3(暫定)の地震が発生し、再び最大震度7測された。気象庁によると、熊本、大分県を中心に続いている地震の発生回数(震度1以上)は、14日夜から28日午前9時までの累計で1001回に上った。震災後2週間たった今も3万6千人が避難生活を続けている。29日時点で危険建物の数は1万2千、これは東日本大震災を上回る。
—————————————————————————— 

まさかここで地震が?!
九州は地震が少ないから大丈夫。そう思っていた人が多かったようです。ある企業では地震の時のバックアップオフィスとして、わざわざ熊本を選んだところもありました。大学環境情報学部准教授の大木聖子さんはこう言っています。「最近、大地震のリスクは、南海トラフの巨大地震や首都直下地震ばかり注目されますが、地震学として考えると、マグニチュード(M)7ぐらいまでは、どこでも起こりえる地震で、その規模の地震があれば周辺では強いれに見舞われるのです。政府は、今回の地震を起こしたと考えられる日奈久(ひなぐ)を含む九州南部の域で、M68以上の地震が30年以に起きる確率は7~18%と推定していました。30年以に70%と推計される南海トラフや南関東の大地震よりもずっと低い確率でした。地震予測研究の限界です。」

 


実は阪神淡路大震災の発生確率は0.02〜8%でした。それでも起こってしまったのです。震災後に人々は「まさか、ここで起こるとは!」と言うのです。図を見ていただければわかる通り、最近の大地震は、政府が危ないと指定しているところ以外で起こっています。もちろん、南海トラフや首都直下は高い確率で起こるでしょうが、だからといって、他の地域が安全という訳ではありません。

日本には2000の活断層があり(未知のものを含めると6000本と言われています。)、そのうち110本が評価済みということです。海洋型地震の場合は比較的周期通り起こるので予測しやすいのですが、内陸断層型地震は今までの例から分かるように、いきなり起きてしまうのです。断層型に限っては発生確率はあって無いようなものでしょう。関東にも図のように多くの活断層が確認されています。



前回の阪神淡路同様に、今回の熊本災害も1981年以前の旧建築法で建てられた建物に甚大な被害が出ました。建物の耐震化は基本的な対策の1つです。しかし、分かってはいても耐震化はお金もかかりますので、つい後手後手になってしまいがちです。部分的に耐震化するとうのも1つの手です。最近は耐震ベッドや、寝室がすっぽり入る耐震シェルターなども開発、販売されています。


震度7が来たら家が潰れて家具の固定など役に立たないと言って、やらない人もいるようです。しかし、震度5−6も起こります。すると家は倒れなくても家具や食器棚が倒れると逃げ道が塞がれる可能性がありますので、やはり家具の固定は必要でしょう。

いずれにしても日本では被災地以外は「未被地」です。どこでも震災は起こりえます。正しい危機感を持って備えることが大切です。


物資が行きわたらない!
漏れの無い支援が目標ですが、どうしても物資の足りている避難所と足り無い避難所という差が出てしまいます。それでもインターネット、SNSの普及で、だいぶコミュニケーションは取りやすくなってきているのだと思います。Yahooの支援マップ(http://kumamotojishin.yahoo.co.jp/)には給水地、避難所のローケーション、名称・住所などがすぐ分かるようになっています。大きな進歩ですね。



家が倒壊、半倒壊すると住めなくなりますので、避難所に避難します。知り合いが被災地にいるとなるとすぐに物を届けに行きたいのは人情でしょう。また、様々な民間のNPOなどの支援団体も動き始めます。しかし、道が渋滞して、自衛隊などの大量物資を運ぶ車の妨げになってしまうこともあります。また、自衛隊、消防隊は瓦礫に埋まっている人の人命救助が優先になりますが、その妨げになってしまう可能性もあります。

私が東日本大震災後、災害支援団体クラッシュ・ジャパンの倉庫で物資の仕分けをしている時、使い古しのものや、おそらく使わないだろうと思われる海外からの歯磨き粉やXXLサイズの服などを見つけました。現地で必要なもの、使うもの、使えるものを送ることが原則です。そして、現地でのニーズは刻々と変化します。3:11の時、初め被災地は寒く、毛布などの必要が訴えられましたが、すぐに春、夏と気候が変わっていきました。倉庫には冬物の衣類や毛布が溜まってゆきました。過去から学んで、賢い支援をすることが必要です。変化するニーズに対応するため、「支援金」を集めて、送るというのも大事な支援になります。ボランティアに駆けつけることもいいですが、現地に行かなくてもできることは沢山あります。

また、今回も物資の仕分けや避難所に配達する職員が不足だったり、経験不足だったりで混乱があったようです。明治大学危機管理研究センターの市川宏雄所長(都市計画)は、民間企業は危機管理のノウハウが蓄積されているために行動が早かったとみています。自治体も被災経験のある自治体とノウハウを共有して備えることが重要だが、熊本では実行できていたか疑問符がつくと話しています。次期の首都圏直下では、政府は自治体が要請する前に必要と思われるものを送る「プッシュ支援」を計画しています。



それはありがたいのですが、各自治体に送りつけられ高く積み上げられた物資を誰が仕分けし、誰がそれぞれの避難所まで運び、また、避難所でどう公平に配布するのかが課題となります。震災が起こると大手企業が物資を支援するケースが多々あります。役所はその対応だけで一杯で、個人やNPOからの物資の問い合わせに対応している余裕がないというのが実態のようです。今回の被災直後の状況をニュースは次のように伝えています。

「熊本産業展示場(グランメッセ)はイベントや会議を開く施設で、県が所有し、民間が運。避難者がえたのを受け、町職員が5人態勢対応しているが、避難者名簿もなく、人は車の台からの推定だ。多くは町外の住民とみられる。17日の発表では1万人だった。

以前、書きましたが、私の住んでいる東久留米市は人口11万人ですが、防災課の職員は2名しかいません。そこで、社会福祉協議会はボランティアセンターで奉仕できる「災害市民ボランティア」を前もって養成する講座を開いています。講座を受けた人は震災時ボランティアセンターで働くワーカーとして登録されます。そのように市民ボランティアの助けが必要となることが分かっているので前もって養成しておきます。また、避難所も基本的には避難所に入る人が運営することになるので、前もって「避難所運営委員会」を立ち上げ、物資の受け取り、配布についても協議しておくことが必要ですね。実は避難所には探してみると大工さん、看護師、介護士、美容師、調理師、警備員、元会社管理職など意外と人材が豊富なのです。避難所の名簿にできることを書いてもらうのも一案です。被災地では皆が被災者です。お互い助け合い、人材リソースを活用しましょう。


生活しにくい避難所
今回の地震では避難者が想定の7200人を超え、指定外の施設にる形になりました。入りきれない人や建物の崩壊を恐れる人々は駐車場で車中泊を強いられた訳です。これは首都圏ではシリアスな問題となります。1都(東京都)3県(埼玉、千葉、神奈川)で、800万人の帰宅難民、2週間後には720万の避難民が想定されているのです。当然指定避難所だけでは足りなくなるでしょう。大型商業施設や民間の施設の協力が不可欠になります。

もちろん、避難所は緊急の場所なので、快適にという訳にはいかないでしょうが、すでに過去の災害から避難所の問題はいろいろ指摘されてきています。どれほど向上できたのでしょうか? 避難所の典型的な問題は・・・

 汚い
 眠れない
 プライバシーが無く、女性が着替える場所がない。
 仮設トイレが遠くて暗い。和式しかなく高齢者が使えない。数も十分でない。
  トイレを我慢し水を飲まないので病気になる。
 スマホ、携帯電話の充電ができない。などなど

これらの問題が起きることは分かりきっています。是非とも事前に避難所運営委員会を立ち上げ、以下のことを話し合っておきたいものです。

 指定避難所は耐震的に大丈夫か? 液状化などの危険性はないか?
⚪ 人が入る前にテープで区切りをして通路を作る。通路がないと、移動がし
  にくいだけでなく、人の頭を踏んでしまうので、夜中にトイレにも行けな
  い。
  学校の場合、工作室や理科室などあるので、どこを立ち入り禁止にするか。
  本部をどこにおくか? 掲示板をどこにおくか? 集会室、サロン?
  コミュニケーションの「場」が大事になります。
  要援護者(高齢者、障害者、幼児を連れたお母さん、外国人をどこに配置す
  るか。ペットを連れた人をどうするか?
  避難所運営に女性の視点を入れる。
  仮設トイレをどこに配置するか。いくつ必要か? どこから調達するのか?
  物資をどこで受け取り、どこに保管するか? などです。



福島県いわき市立湯本第二中学校の元校長、澤井史郎氏は、自らの避難所を「日本一の避難所にしよう!」との高い意識で取り組みました。そして、少しでも快適な避難所を目指しました。皆で話し合って、テレビを置いたサロン、集会室、子供の勉強部屋、焼香の場などを設置しました。また避難所は多様性が凝縮された集団という認識で、「避難所に国境なし」を掲げました。「一人一役」を原則とし、子供であっても仕事をするような組織作りを行いました。

民間の災害支援NPOなどと繋がっておくことも有益でしょう。また、今回、熊本ではエコノミークラス症候群で人が亡くなっています。衛生面、健康面での指導ができる人も早く配置する必要があります。子供達のトラウマケアも必要です。マスコミが取り上げている間、物資や支援が届くでしょうが、精神的なトラウマは長期的なケアが必要になります。思い出の詰まった自分の家を失った、家族を失った。これはものすごい喪失感です。これから仮設住宅での生活が始まります。最初の救援段階が終わってからの長期的な被災者ケアをどうしてゆくかが課題になります。

———————————————————————————— 

一般社団法人 災害支援団体 クラッシュ・ジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士

栗原一芳 (くりはら かずよし)
contact@crashjapan.com