東京含む南関東、3カ月以内に震度5か
JESEAの会長、村井俊治・東大名誉教授は測量工学の世界的権威で、人工衛星による測位データーを用い、地盤の隆起沈降を計ることにより異常な現象を発見し、地震予測に役立てることを2013年から始めている。「3カ月以内に震度5以上の地震が起こる兆候があった場合、注意を呼びかけている」と村井氏。
東京を含む南関東も安心できない。村井氏によると、「4月1日から7日の間に、4センチから6センチの地盤の隆起沈降が複数の観測点で確認された。要注意の中でも限りなく要警戒に近い。過去の経験を踏まえると、この現象が起きた場合は間違いなく3カ月以内に震度5以上の地震が起きる」という。ちなみに、13年から17年にかけて震度5以上の地震に限ると、発生半年前までに前兆を捕捉できたケースは実に91・1%(JESEA調べ)。注意してもしすぎることはない。
海洋地質学が専門で琉球大学名誉教授の木村政昭氏は以前から日向灘、沖縄、釧路に加え、伊豆諸島南方域を危険ゾーンと評価している。
「太平洋プレートが西側へ動くと小笠原沖の火山が南から北へと順番に噴火し、やがてプレートの境界付近で大地震が起きます。07年4月に西之島で噴火が起き、その北にあるベヨネーズ列岩の火山活動も活発化していると考えると、最大でM8.5クラスの地震が発生してもおかしくありません。そうなれば高い確率で富士山も噴火するでしょう」
「太平洋プレートが西側へ動くと小笠原沖の火山が南から北へと順番に噴火し、やがてプレートの境界付近で大地震が起きます。07年4月に西之島で噴火が起き、その北にあるベヨネーズ列岩の火山活動も活発化していると考えると、最大でM8.5クラスの地震が発生してもおかしくありません。そうなれば高い確率で富士山も噴火するでしょう」
過去の伊豆周辺のM6以上の地震
1974年 伊豆半島沖(駿河湾) M6.9
1978年 伊豆大島 M7
1980年 伊豆半島東方沖 M6.7
1990年 伊豆大島近海 M6.5
2000年 神津島 M6.5
となっている。ちなみに、マグニチュードが1.0上がると、エネルギーは30倍になる。
震度6強で倒壊の危険、都内251棟
(ニュー新橋ビル)
1981年の法改正前の旧耐震基準で建てられた東京都内の大規模な商業ビルやマンションなどの計852棟について耐震診断をしたところ、約2割が震度6強以上の地震で倒壊・崩壊の危険性が高いことが都のまとめで明らかになった。危険性が「ある」を合わせると、全体の3割に上る。熊本地震では2000年基準を満たす木造住宅の61.4%は無被害だったのに対し、旧耐震基準の家屋ではわずかに5.1%が無被害であった。これが東京都内の人の大勢集まるところでの話となると深刻である。耐震化により大きく被害が抑えられるので耐震化が急務と言えよう。例えば、危険性が「高い」とされているのは・・・
● 渋谷の109 など
エリア別 危険度ランキング
東京都は2018年2月15日、大規模地震による建物の倒壊や火災の危険性について、地域別に5段階評価した「危険度ランク」を約4年半ぶりに改定し、公表した。危険度が最も高い「5」は、地盤が弱く、古い木造住宅が密集する荒川や隅田川沿いの下町一帯を中心とする85地域(全体の1.6%)で、足立区、荒川区、墨田区で特に多かった。この危険度ランキングは宅地開発で耐火性能の低い木造住宅が増えていたりする地域、及び「支援困難度」つまり、消防車が通行できる広い道路が不足していたりという地域を評価基準にしている。
災害用トイレの備え「不足」自治体は69%
(情報源:2018年4月14日〜5月13日 Yahoo Japan PR記事)
大災害があれば、飲み水が無くなるだけでなく、水洗トイレが流せなくなる。マンションの高層階に住んでいれば、トイレに行くたびに階段を昇り降りしなければならない。水や食料よりも我慢ができないこのトイレ問題は、災害関連死に大きく関係している。以下の図は熊本県教育委員会による調査結果である。
備えられていなかったために困った機能として「多目的トイレ」がトップ。東日本大震災でも、文部科学省の報告書によれば、避難所として利用された学校525校のうち74.7%が、問題になった施設・設備として「トイレ」を挙げている。トイレ我慢することによりエコノミー症候群の発生率が高くなる。2018年3月12日時点で、熊本地震の災害関連死は204人。地震の直接的被害で死亡した50人の4倍以上に達している。
実際に被災した人が「トイレに行きたい」と感じるのは、地震から何時間以内なのか。東日本大震災の被災者36人から聞いた大正大学のアンケートでは、発生から「6時間以内」と答えた人が約7割という結果が出た。
(個人宅でも緊急トイレを備えておく必要がある。)
一方で東日本大震災では、使えなくなった水洗トイレの代わりとなる仮設トイレが「3日以内」に避難所に行き渡った自治体は34%だったとの調査もある。被災地に仮設トイレが届くまでの時間を調べた名古屋大学のこの調査では、もっとも日数を要した自治体は65日だった。「トイレの用意にはスピードが求められる」にもかかわらず、時間を要することが分かっている。被災地の緊急トイレに関しても「暗い」「遠い」「汚い」「足りない」が東日本大震災の時、言われていながら、熊本地震の避難所でも同じ問題が起こっている。分かっていながら、問題となるのがトイレなのだ。だからトイレ対策が急務と言える。
さらに、日本トイレ研究所が2017年に86自治体を対象に実施したアンケートによると、災害用トイレの備えが「不足している」と回答した自治体は、全体の69%にのぼった。不足している理由として加藤さんは、「トイレ問題の重大さの認識不足」「備蓄しておく場所がない」「コストがかかる」の3点を挙げる。
頼みはNPO? たとえばレスキューストックヤードの場合、発災直後に被災地入りした支援者が避難所を回り、トイレをチェック。障害者や高齢者といった配慮が必要な被災者がどの避難所にどれだけいるかを調査し、適切な支援を検討するという。NPO職員は「民間も避難所運営に入らなければ、助かる命も助からなくなってしまう。」と言っている。
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一般社団法人 災害支援団体 クラッシュ・ジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士
栗原一芳(くりはら かずよし)
contact@crashjapan.com
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