2012年11月28日水曜日

今後10年間に注意すべきエリアは?


沖縄琉球大学名誉教授で、海洋地質学者の木村政昭氏の「いま注意すべき大地震」(青春出版社)によると、東日本大震災の次に来る大災害は富士山の噴火だという。

木村氏は独自の「時空ダイアグラム理論」で1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災を事前予測した。東日本大震災については2007年沖縄県宜野湾市で開かれた第21回太平洋学術会議において東北太平洋沖にM8以上の巨大地震が発生する確率を2005年プラス5年以内としていた。つまり2010年を2ヶ月半過ぎたところで起ってしまった。氏は火山噴火と地震を関係づけて考える。「大地震の震央に近い火山から早くに噴火がはじまることを考えるなら、今から70年まえの蔵王山の噴火は東日本大震災を予告していたことになる。逆に考えるなら、火山噴火があったのに、その次期に大きな地震がまったく来ない時は、気をつけたほうがいい。かなりの時間を経て、超巨大地震が起きる可能性があるのだ。これが、今回の教訓である。」(P20

木村氏が緊急度の高い地域として指名しているのが、房総半島東方沖。ここ3年の範囲で予測されている。実はつい先日、11月24日、千葉県北西部を震源とするM5.4の地震があり東京でも震度4を観測した、25日には千葉県東方沖で震度1ではあるが、地震が発生している。ちょうどそのあたりは、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートが重なり合うところ。しかも東日本大震災で宮城、三陸沖の太平洋プレートが縦500キロ、横200キロの広範囲で平均10m動いた事を考えると、さらに南の福島沖、茨城沖、千葉沖のプレートが崩れて行く可能性は高い。房総半島東方沖は第二種空白域と言って周りには細かな地震が多発しているのに枠内だけは地震が極度に少ない。

つまりストレスを溜め込んでいるので大地震の危険が潜んでいる。また、外房の近海にも空白域がある。こちらは第1種で過去に大きな地震があった狭間にあってぽっかり地震が無い空白域。以下の産経ニュースの記事も関連記事として懸念を募らせる。

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房総沖に未知の2活断層 長さ160~300キロ M8~9、沿岸に津波も
2012.3.26 11:19 津波
 房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長大な2つの活断層が存在するとの調査結果を、広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループが25日までにまとめた。長さは160キロと300キロ以上で、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8~9の地震を起こす可能性があるという。グループの渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は「ノーマークで未調査の活断層。強い揺れや津波が関東南部や東海地方に及ぶ可能性があり、早急に詳しく調査するべきだ」としている。断層の北側には、1677年の延宝房総沖地震(推定M8・0)や1953年の房総沖地震(M7・4)の震源域があるが、これらは別の活断層が動いたとみられ、2つの活断層の歴史的な活動は分かっていない。
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懸念されている南海トラフ地震に関しては、日本海側で地震が多発しているので、外側の南海トラフ地震は向こう50年は大丈夫とみている。東海地震も2009年8月11日にM6.5の駿河湾地震が起きており、ストレスは抜けたと見られている。木村氏の研究による「地震の目」が出ていないという。東京湾北部地震の震源地の「地震の目」も東日本大震災以来消えているという。

さて、過去の歴史を見ると、巨大地震と富士山の噴火は関連している。東日本大震災という超巨大地震が起った以上、富士山の噴火も近いと考えられるというのだ。富士山のような大きな山はマグマだまりも大きく、マグマをためるのに百年単位かかる。富士山は過去の噴火から300年たっている。一度、噴火すれば大量の溶岩と火山灰を噴出する。今、富士山にはマグマだまりは鮮明に現れているという。3・11の4日後、M6.4の地震が富士山のマグマだまりの真上を震源に起った。富士山のマグマの上昇も確認されている。噴火は早められていると思われる。また、微小地震のドーナツ現象が起きている。これは10年以内に活動する火山周辺に現れるものだという。木村氏は富士山噴火を2011プラス3年としている。また、木村氏によると富士山周辺での地震は境界プレート型の地震とは異なり東海地震の前触れではないとしている。この点、気象庁も明確な見解を出している。ただ、政府の富士山噴火の対策が遅れているのが心配だ。


要約すると、今後10年間に注意すべきエリアは?(木村氏の予測)

緊迫しているのは・・・

      房総半島東方沖地震はM7.8で2015年までに起るという緊迫した予測。
      同じく2015年までに起きるとされる富士山噴火


後は、地震空白地帯である、九州中部、沖縄、日向灘、長野、鳥取、能登半島に注意が必要という。
 
      東海地震、東南海地震、東京湾北部地震に関しては、すぐに起きる可能性は少ない。

      三陸大地震 M8の再来はあるか?「アウターライズ」大津波説が言われるが、木村氏はM7クラスの地震がすでに発生してしまっているので、ストレスは抜けたと考えている。

      南関東には一定のパターンがある。はじめに三原山の大噴火、次に北海道、東北での大地震そして、再び、三原山の小噴火の後に南関東の大地震。(関東大震災の時のパターン)今回は86年に三原山の噴火、93−94年、北海道、東北での大地震そして、3・11。次に三原山での噴火があった際には要注意だ。

2012年11月8日木曜日

「まだある首都圏を襲う大地震の危機」



昨年3月11日の東日本大震災をきっかけに、首都圏では地震活動が活発化。気象庁の観測によると12月までにM3~6の地震が平均で1日当たり1・48回発生しており、震災前の約5倍に上っている。20121230304  読売新聞)

また、首都直下地震のひとつである東京湾北部地震の揺れは、従来想定の震度6強を上回る震度7との推定を正式に公表。沈み込むフィリピン海プレート(岩板)と陸のプレートとの境界が従来想定より約10キロ浅いことが分かったためで、震度7は東京23区の湾岸部や多摩川河口付近と予想した。(産経ニュース2012.3.7 14:22
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以下のパネルは有明の臨海広域某再公園内の施設に展示されているものだが、ご覧のように関東は地震活動の活動期に入ってきている。





 以前このブログで紹介したように、東京都が主に想定しているのは東京湾北部地震、多摩直下地震、元禄型関東地震、立川断層帯地震の4つだが、実は震源地の想定は10数カ所ある。そのどこでも起る可能性はある。





最近、大飯原発直下の活断層調査が行われたが、敦賀原発の下、浜岡原発の敷地内にも断層があるという。さて、東京はどうなのだろうか。首都圏中心にある断層モデルは以下のごとく。






最近になって都心を走る断層も話題になっている。首都大学東京などの共同研究チームによると、東京都北区田端から新宿区四谷付近の約7キロにわたって活断層が存在している危険性があると報じられている。日本活断層学会が地下のボーリング調査の結果を分析したところ、正断層であることが推定された。数十から78万年前までの間に数回ずれた痕跡があるとし、数万年の間隔で地震を起こす活断層の可能性があると結論づけたそうだ。





実は都心だけではなく、房総沖にも断層が見つかっている。
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房総沖に未知の2活断層 長さ160~300キロ M8~9、沿岸に津波も
産経ニュース2012.3.26 11:19 津波

 房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長大な2つの活断層が存在するとの調査結果を、広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループが25日までにまとめた。長さは160キロと300キロ以上で、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8~9の地震を起こす可能性があるという。
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そして心配なのは首都インフラの老朽化である。


首都高老朽化めぐる議論大詰め “地下化”の理想と現実
SankeiBiz 113()815分配信

 首都高は1号線の芝浦-京橋間開通から50年が経過しているが、これまでは補修が中心で本格的な対策は進んでいない。だが、議論が深まれば深まるほど問題の根深さが浮き彫りになり、結論が出るまでには時間がかかりそうだ。国交省と首都高速で対策内容は大きく異なるが、老朽化に対する危機意識は共通している。1日約100万台の交通量がある首都高は総延長301キロで、都心環状線、羽田線などは完成後40年を超え、30年超の路線も半数以上。さらに、痛みやすいとされる高架が全体の79%、大型車の交通量は一般道の5倍と悪条件も重なる。

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ここに震度6強、7の揺れが襲ったらどうなるのだろうか? 阪神淡路の高速高架橋が横倒しになっている姿が目に浮かぶ。震度7が都心を襲えば首都機能は停止する。東京は日本の「頭脳」である。首都機能移転の話はないのだろうか?
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「論説」首都機能を東京から福島へ 弊害目立つ一極集中

更新日:2012 814 ()  中部経済新聞

 国の中央防災会議は、首都圏直下型地震の発生後の首都代替候補地として、名古屋など5都市を候補に挙げている。直下型地震後の緊急措置だが、そもそも首都機能を今後も東京に置くかどうか再び議論をする時期に来ている。東京一極集中の弊害がさまざまな面で目立つ。首都機能を福島県阿武隈地方へ移転し、同時に全国へ地方分権を進めたい。福島県は震災に加え、原発事故で甚大な被害を受けたが、かつて首都機能の移転候補地となっていた。1999年12月、国の国会等移転審議会が移転候補地として「岐阜・愛知」「栃木・福島」の二地域、準候補地として「三重・畿央」を絞り込んだ。「岐阜・愛知」は東濃を中心とする地域、「栃木・福島」は福島県阿武隈地方と栃木県那須地方からなる。候補地を一つに決める段階で小泉内閣が政権を担当したが、同内閣が首都機能移を事実上凍結し現在に至っている。

 首都機能移転が必要とされた理由は、東京への一極集中によるリスクが大きくなり過ぎたこと。巨大地震の発生時の首都機能の喪失懸念に加え、地方の疲弊が集中のメリットを上回ったことが具体的な内容だった。そして、事実上の凍結から10年が経過し、首都圏直下型地震の恐れが指摘され、首都機能移転の必要性が再び認識されるようになった。
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今回、ニューヨークのハリケーン「サンディ」の被害総額は4兆円と言われる。しかし、東京湾北部地震が起れば、その被害総額は112兆円に上る。(東京都の予測)これは日本の国家予算(90兆)を上回る。すでに日本では麻生総理の時から40兆の税収で90兆の国家予算というアンバランスな構造が定着化している。つまり、毎年50兆円の負債が増えている訳だ。野田政権が組んだ2012年の予算は税収42兆、新規国債発行高44兆というすさまじい内容となっている。しかも、震災復興費用は特別会計に組まれており、この数字には入っていない。実質な歳出額は96兆台。すでに日本の財政累積赤字は1000兆円。ただでさえ、いつ国債の暴落、円の暴落、ハイパーインフレが始まるかわからない中で、南海トラフ、あるいは首都圏直下地震という国難が起ればいっきに引き金が弾かれてしまうことにもなりかねない。ギリシャは対岸の火ではない。国家破産は現実問題として我々の目の前にある。