2014年4月2日水曜日

南海トラフ地震の東京への影響



大都市を襲う2つの巨大地震


図のように、真っ赤になったエリアが、今後30年で震度6以上が起きる可能性の高いところだ。これは南海トラフ地震首都圏直下型地震(都心南部地震)の影響地域といえる。そして上記の2つの地震はどちらも政府発表で今後、30年で70%の高確率となっている。首都圏直下は日本の頭脳である東京を直撃。一方、南海トラフの震源域は東日本大震災の2倍の1000キロに及び、千葉から鹿児島までの範囲で強い地震に見舞われ、名古屋、大阪含む西日本に甚大な被害を及ぼす。
 

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南海トラフ地震の概要

海溝型 M8-M9  
● 最大震度:7 
発生確立:今後30年で70% 
震源域:鹿児島から伊豆半島までの2000Km 
西日本で壊滅的ダメージ 
  全壊・焼失棟数:238万棟 (大阪で33万棟)
 死者・行方不明者:32万人 (7割は津波被害、うち静岡で10万人)
     被害総額:220兆円
       津波:大阪、名古屋で津波5m
           難民数:950万人


起れば国の存亡にかかわる国難!


大阪、名古屋に壊滅的ダメージ、そして東京にも大きな被害が及ぶ。国民の6割が被災するという南海トラフ(連動)地震は、正に国の存亡にかかわる国難。大阪府独自の被害予測では、津波が川を遡上し、取水地が破壊され、住民の94%が断水の影響を受けるという。一ヶ月後には191万人が避難民と化す。しかし、避難者の半分は避難所に入れない。水は国の推定を6倍上回る8931万トンが不足と試算。非常食は国の想定の2.3倍の3220万食が不足。名古屋では市内の24%が浸水。津波が液状化で沈み込んだ堤防を超えれば、浸水はJR名古屋駅まで到達すると予測される。



被害者の7割は津波被害


政府は2014年3月28日、死者数を今後、10年間で8割減らす目標を掲げ、津波防災や耐震化を推進。図のように30分以内に津波で浸水する14都県の139の市町村を津波対策特別強化地区と指定した。被害者の3分の1にあたる10万人は静岡である。この人口密度の高い地域に10m級の津波が押し寄せるが、初波は2分で到達する。東京近辺でも、新島31m, 神津島25m、鎌倉10m、館山11m、東京湾内でも震度5で津波最大3m(満潮含む)前後と予測されている。




いつ起るのか?


 図のように過去の歴史を見ると、南海、東南海、東海の3つの震源地が連動して巨大地震を起こして来たことがわかる。100−150年の周期で起っているが、東海は1954年以降すでに160年経っているが地震は起ってない。従って、いつ起きてもおかしくない状況にある。南海地震の場合、最後に起った1946年から、一番短いスパン90年で計算してみると次は2036年くらいになる。しかし、東日本大震災の影響で早まっていることも考えられる。GPSの観測で四国は過去70年で2.7m西へ移動しているとの報告もあり、また、南海トラフ深層で低周波地震が継続して起っていることから相当なプレッシャーがかかっていることは容易に察せられる。そして、震源地は遠くとも、確実に東京にも被害が及ぶ。



南海トラフ地震、東京への被害

震度:5強  
● 一時的な交通/通信麻痺
長周期地震動による高層階の長時間による水平揺れ。家具などの固定がされてないと、致命的なダメージとなる可能性がある。
東京湾岸の12基の火力発電所、5000基の石油タンクなどへのダメージ。
 スロッシングによる油の流出と湾岸火災の可能性

(スロッシング)



    津波最大高3m、湾岸地区、ゼロメートル地帯の浸水、液状化 
都内での津波死者は出ないことになっているが、伊豆諸島、小笠原諸島で津波により計1774人が死亡と予想。都内のゼロメートル地帯では、堤防の決壊や液状化による沈下などで浸水の可能性がある。東京都は浸水の場合1m以下とするが・・・



    富士山噴火の場合 火山灰が2cm−10cm 幹線道路の灰排除に4日、航空機の飛行に影響。避難対象人数は56万7千人に及ぶ。

  地震予知の第一人者・長尾年恭東海大学教授によると・・・「東海地震が起きた場合、かなりの高率で富士山が噴火するでしょう。・・・活火山であるは300年も噴火しなかったこと自体、異常だと考えたほうがいい。東海地震後に富士山は間違なく噴火すると考えるべきです。それは地震が起きた後、おそらく数十日~2年以内でしょう。」「週刊現代」2012121日号





    浜岡原発事故による放射能漏れにより、8時間ほどで首都圏放射能汚染。浜岡原発は今年中に再稼働申請予定。 




    長期的物不足 西日本の壊滅的ダメージと交通網の遮断により、長期の物不足が ボディブローのようにじわじわと都民生活を苦しめることに。


    復旧、復興の長期化 瓦礫処理に19年という試算が出ている。

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栗原一芳

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