2012年10月3日水曜日

「南海トラフ地震と津波被害」



 関東大震災型の相模トラフを震源とする地震は200数十年に一度M8クラスで起る。それが起るまでに数回のM7クラスの首都圏直下型地震が起ると予測されている。歪みはたまってきており活動期に入っている。マグニチュードは1上がるとエネルギーは32倍になる。海溝型地震の関東大震災はM8(7.9)で震度は6だったが、今度の首都圏直下型では震源が真下なのでM7でも震度7が出る。東京湾平均水面を0とすると、満潮時でプラス1m、満潮時の津波でプラス2.2m—2.6mと推測され、堤防の高さが3.5mなので津波での大きな被害は出ない事になっている。東京湾の海底は50メートルほどで比較的浅いためだ。ただし、震度7という激震と液状化で水門や堤防がダメージを受ける事は無いのか?実は東京は280kmに及ぶ堤防で守られている都市なのだ。荒川沿いにゼロメートル地帯が広がり、そこには約150万人が住んでいる。前回の3:11でさえ、浦安や湾岸の火力発電所では液状化現象が見られた。対策は十分進んでいるのだろうか?ちなみに避難所に指定されている東京23区の小中学校は築40年以上が34.1%で予算不足から耐震工事は進んでいないようだ。




(図)は「川の手地区」ゼロメートル地帯


本所防災館では液状化の実験を見る事が出来る。乾いた土地の家が揺れの後、水浸しになり傾いて沈んでゆく。電信柱は倒れ、マンホールは浮き上がる。水害は津波だけではないのだ。



つい、8月29日に内閣府中央防災会議が南海トラフ地震の最新被害予測を公式発表し、各新聞の一面を賑わせた。地震の規模はM9。死者最大32万人。7割が津波被害。静岡は最多の死者で10万人。13mの巨大津波が予測されているが、初波は何と2分で到達。海溝の地震では津波はジャンボジェットの早さで移動してくる。津波は30センチで死者が出始め、70センチで死亡率71%、1メートルで100%の死亡率という。津波は圧力の壁だからだ。そのエネルギーに人は為す術も無い。ただし、「早期避難率」が高いと半分から9割近くも減るという。防災、避難で「32万の死者が6万人に減」という試算に希望を見いだす。ここに防災の意義がある。

最悪は、高知県黒潮町で34メートルの津波。初波は8分で来る。大阪、名古屋でも5mの津波。大阪では全倒壊も33万7千棟。浸水面積は(浸水深1センチ以上)の最大値は静岡、高知、三重の3県でいずれも羽田空港の約12倍の150平方メートルに及ぶ。東海地震は単独で起きた事が無いので、東海、東南海、南海の3連動地震の懸念が高まっている。

品川、千葉は3m、江東区には3時間5分で津波が到達。行政も一般の商業施設とも協力して津波避難所を確保するよう努めている。千葉県船橋市は、市内に大型商業施設がある三井不動産やイケア・ジャパンなどと、津波警報の発令時に一時的な避難場所として使用できるよう協定を結んだ。約430店が入る「ららぽーと TOKYO-BAY」や、家具などを扱う「IKEA船橋店」の駐車場や屋上を開放。ららぽーとは約1万8千人、IKEAは約5千人を収容できる。船橋市は東京湾に面しており、市内の高層マンションにも3階以上の廊下などの共用スペースの提供を要請。これまでに、計18カ所で約6万4千人が一時避難できる態勢が整ったとしている。

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