2012年9月25日火曜日

防災館で防災体験を



 東京には防災館(あるいは防災センター)と呼ばれる施設があり、地震の情報や体験ができるようになっています。やはり、目で見て、体で体験して次期災害のイメージがはっきり見えてくるものです。防災館は、すべて無料です。


そなエリア東京(防災体験学習施設)
ゆりかもめ有明駅降りてすぐ、癌研有明病院に隣接する東京臨海広域防災公園の敷地内にある。この公園の沿岸部はヘリポートとなっており、大災害時にはテントが設置され政府の救援本部機能を果たす。防災館内にもテレビモニターと各席にコンピューターを備えたオペレーションルームがあり、見学者が窓から中を覗けるようになっている。(通常は誰もいませんが)

さて、施設の目玉は東京直下72時間体験学習ツアー。入り口でDSが渡され説明を受ける。エレベータに乗り込むとその途中に地震発生という設定になる。エレベータを降りると停電したビルの地下室を非常灯を目印に進んでゆく。外に出るとそこは大地震後の町並みがスタジオセットで再現されている。大型スクリーンではニュース番組で直下地震発生のニュースが流れている。DSの地図を見ながら指定された建物の前に行くと防災クイズが出され、それに答えて進んでゆく。コンビニのドアに帰宅者支援のマークが。しかし、皮肉な事にコンビニの内部は商品棚が倒れ、混乱状態。これがリアルな状況だろう。いったい帰宅者支援に役立つのかと疑しい?隣の部屋に移ると大スクリーンに東京直下地震のシュミレーション映画が上映されている。これがリアルで緊迫感がある。夜の東京のあちこちに炎と煙が上がっている。帰宅の足を奪われた人々が道に溢れている。実際、関東大震災の時は竜巻のような火災旋風で多くの人が焼け死んだ。東京で避難所に指定されているのは小学校、中学校。耐震補強は間に合っているのだろうか?避難所に指定された公園の4方が火事で炎に囲まれているというケースもありうる。さて、さらに進むと次の部屋には防災グッズや避難所での様子が展示されている。ペットボトルで作ったイス、ネクタイを包帯がわりに、空き缶でランプになど、以外なものが役に立つ。

施設2階には、大震災時の政府の動きを説明するパネルもある。震災時には官邸内に救援本部が設置されるが、官邸内がダメージある時は内閣府、あるいは、ここ有明の施設となる。この施設は免震構造で震度7を震度4まで軽減できる。ちなみに、東京都は新宿の都庁ビルに救援本部を設置、飛行場が裏にある立川防災センターが現場指揮本部となる。しかし、東京都と政府の連携は大丈夫なのだろうか。食料支援基地は東扇島(東京湾岸横浜北部)となる。

9時半から5時(入場は4時半まで)
休館:月曜
03-3529-2180



品川区防災センター
大井駅から歩8分。品川区役所内にある。ここの目玉はミニシアター。座席が震度5で揺れる3D映画「地震、その時あなたは」でリアルな地震体験ができる。単なる地震再現ではなく、家族ドラマとなっておりオフィスの中のご主人、家に同居のおばあちゃんなどそれぞれの状況でどうなるかが描かれる。ベランダに出ると瓦が落ちてくる。歩道を歩いていると割れたビルの窓ガラスが降ってくる。自転車で狭い住宅街を走っていると石垣が倒れてくるなど、現実は、こうなるんだという様子がよくわかる。映画途中で実際に地震が起ったかごとくに、映画が中断され、椅子が揺れ、壁が倒れてくるなどのエンディングにびっくり。避難所生活の現実がわかる「希望(のぞみ)、かけがえの無い人のために」も同時上映され多くを考えさせられる。シアターの他は小さな展示スペースがある。品川区は、さすがに津波注意も行っている。東京湾満潮時で海面が1m上がる。満潮時の津波想定はプラス2.2m。現在3.5mの堤防が張り巡らされている。ただ、これだとギリギリなのでは?備蓄は米50万食分、水4600㎥、仮設トイレ1500台を準備している。

休館日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始
開館時間:9時から17時
電話:03−5742−9098



池袋防災館
池袋駅西口、メトロポリタンホテル脇にある。ここでは防災訓練ツアーをやっている。煙体験や地震体験がきる。地震体験マシーンは横揺れのみで震度7まで体験できる。ステージセットは台所の想定で、ツアー参加者はテーブルの下に4つんばいになって退避する。(仰向けでは翻弄されるので)震度7になるとテーブルの足にしがみついていないと振り回され、隣の人と頭をぶつける危険性も。ところで池袋は雑居ビルなども多く、火災危険地域と予測されている。スクリーンの火災に実際に消火器を使用する訓練もある。地震の展示は他と比べると少ない。

9時から5時
03-3590-6565
休館:火曜日、第三水曜日



北区防災センター(地震科学館)
南北線西原駅(1番出口から歩5分)。滝野川公園隣接。入り口を入るとすぐに地震後の破壊されたキッチンの実物大模型が。壁には過去の大地震の概要が写真入りで紹介されている。阪神淡路体験者の証言ビデオなどは有益だ。印象に残ったのは避難所となる小学校のミニチュア模型。一目で避難所がどうなっているかわかる(どこで寝泊まりし、食事の配給を受け、どこで携帯の充電をするかなど)。避難所の一日のスケジュールまで張り出されている。地震体験マシーンのステージは3部屋に分かれており洋間や畳の和室などが選べる。東日本大震災や新潟中越地震などが縦揺れ横揺れでリアルに再現される。関東大震災モデルは一番恐怖感を感じた。通常激しい揺れは1分といわれる。その1分が生死を分ける。海溝型で震源地が遠い場合は広範囲で横揺れ、直下の場合は縦揺れ横揺れが局所的にドスンと来る。シュミレーションルームでは食器棚など倒れてくるものが何も無いが、実際には落下物、転倒物があり気が動転するのでは?隣の部屋では火災時の煙体験ができる。煙は上に行くので、低い姿勢でハンカチで(できれば濡れたもの)鼻と口を塞ぐ。熱気で気道を炎症しないためだ。非常灯の明かりを便りに壁つたいに手探りしながらドアのノブを探し、外に出る。

開館時間:9時から5時
03−3940−1811



立川防災館
立川駅北口から市役所方面バスで立川消防署下車。防災館の裏は飛行場になっており、東京災害緊急時には現場指令センターとなる。ここの特徴は3:11の検証。ミニシアターでは「地震」「津波」「火災」を映像で振り返り検証する。2回のビデオスクリーンでも当時のニュース報道を繋ぎ合わせた各地の津波の状況がリアルに映し出されている。様々な資料の他、震災を扱った当時の雑誌、グラビアまた、震災関係の本を集めた図書コーナーが役立つ。その他、地震体験、消火体験、煙避難体験などができる。全コースは3時間かかり、コースをやりたい場合は、午後2時までに入館する必要がある。バスで乗り付けての団体も多いので前もって電話で混み具合を聞いておくのが賢い。

入場無料  9時から5時
休館:木曜日、第三金曜
042-521-1119



本所防災館
JR錦糸町駅北口下車、スカイツリーを前方左に見ながらまっすぐ歩いて10分程。他の防災館のように地震、煙、消火体験に加え、唯一、豪雨体験ができる。
体験コースは約2時間。館内見学だけもOK。また東京に起った過去の災害の歴史が見られるミニシアターもある。東京は関東大震災で一度壊滅し、その後、第二次世界大戦の東京大空襲で再び壊滅。しかし、奇跡のように復興し、現在に至った。そして今、首都圏大震災の危機が迫っている。意外と見落とされている液状化の恐ろしさについても実験装置を使った説明がある。墨田区、葛飾区などの「川の手地区」で被害が大きくなる。震災関係ミニライブラリーもある。体験コース開始時間が決まっているので、電話で確認して行ったほうがいい。

9時から5時
休館日:水曜日、第三木曜日
03-3121-0119

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是非、地元の市役所、区役所の防災課、また上記の防災館を訪問してみてください。渋谷駅前に新しくできたヒカリエの8階には、渋谷区の防災センターがあり、防災グッズなどが少し展示してあります。

週末(金)の冬の夕方6時頃が被害が最大になると予測されています。夕飯の支度で火を使っている事。季節風で火災が広がること。役所、医者が帰宅して
居ないことなどが考えられます。都内の買い物客などの一時避難滞在所として都立の施設を全面活用し約7万人を受け入れるとしていますが、民間施設(東京ドームなど)を開放してもらわないと全然足りない状況です。

ちなみに、地震の時は新しくできた丈夫なビル内が、むやみと外に出るより安全です。建築基準法改定前の1981年以前の建物は危険性が増大します。できるだけ耐震補強工事をしてください。木造の古い建物の場合は2階に寝泊まりすることをお勧めします。過去のデータでは、高層ビルでの家具の転倒落下は6階から10階で多発しています。また、50階以上の高層ビルの上層部では「長周波地震動」で10分以上の横揺れが続く可能性があります。
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