2012年9月14日金曜日

緊急提言!浜岡原発の危険性



 世界の地震の約2割は日本周辺で起っています。その日本に54基の原発があります。3:11以降、当時の管総理の決断で浜岡原発の運転が停止されました。さすがに、その危険性の大きい事を恐れたのでしょう。判断は正しかったと思いますが、停止は新しい堤防が作られるまでということで、再稼動が前提となっています。元、地震予知連会長の茂木清夫博士は、「(浜岡のように)巨大地震の発生が最も懸念されているところに原発を設置するのは、世界の常識からすれば異常です。」と言っています。何度か浜岡原発の危険性を指摘してきましたが、もう一度、警鐘を鳴らしたいと思います。

1.8月29日に中央防災会議が新たに発表した南海トラフ地震による津波被害によると、御前崎には19mの津波が予測されている。東海地震の場合は21mとも言われている。現在建設中の堤防は18m。浜岡原発は海からわずか100m。これで間に合うのか?しかし、当然のごとく、問題は津波だけではありません。

2.予測によると震度6強−7の激震が原発を襲う。浜岡の場合、5機のうち4機が古いタイプのBWR型で、どれか1機が事故を起こす確立は10%と言われています。さらに衝撃的な内部告発があります。以下、「放射能首都圏消滅」(古長谷稔著、三五館)より引用します。

当時の原発設計者によると「2号機は地震に耐えられない。その理由は岩盤強度が弱い、燃料集合体が共振するの2点。当時は地震といっても横揺れだけしか考えておらず縦揺れは無視していた。耐震設計としては明らかに不十分でした。」彼が内部告発を決意したのは、浜岡原発の1.2号炉の炉心隔壁にヒビが入った事に衝撃を受けたからだそうです。地震も無いのに老朽化でヒビが入ったようです。事実、その後1.2号炉は中部電力も地震は乗り切れないと認めたようで長期運転停止の決定がなされました。

また、原発技術者の菊池さんは国会議員を対象にした勉強会で激白しました。「原発はもともと地震のあるところに原発を建てないアメリカ製なので、地震対策が詳細に検討されていない。地震の前からヒビ割れている原発が安全であるはずがない。」3:11前までは「原発震災は起らない事になっている。よって対策は必要なし」が政府の公式見解だったのです。

ここで少し、原発停止のメカニズムを話しましょう。(以下「放射能首都圏消滅」より編集引用)

原子炉の冷却水は炉心(燃料棒の周り)を通過している間に高温高圧(約290度)にされ、原子炉圧力容器内で蒸気にされ、タービン発電機に送られます。発電の仕事を終えた後は復水器で海水によって冷却された水に戻り、給水ポンプにより再び原子炉容器に送られます。こうして冷却水は循環しています。地震で冷却水の配管が破断すれば、冷却水の循環が止まり、「空焚き」状態になります。冷却水で放熱できなければ、たちまち核燃料の温度は上昇し、2800度を超えた後は、自らが出す高熱で自らが溶けてしまいます。これがメルトダウンです。燃料棒がどんどん溶け落ちてゆきます。超高温の金属のかたまりが水蒸気と反応して大量の水素が発生します。これは10トンの爆弾に等しい破壊力です。水が瞬時に沸騰し水素爆発を起こします。こうして爆風が原子炉格納容器を破壊し、内部の「死の灰」が大気中に噴出するのです。

「運転停止」しても「冷却完了」しないとメルトダウンの危険はなくなりません。「運転停止」は制御棒が注入される(浜岡の場合は下から入れる)ことを意味します。うまく入れば核分裂の連鎖反応が止まるので急激な発熱は収まります。ただし、地震による揺れが大きくて制御棒が垂直にうまく入らなければ、核暴走事故になる危険性があります。

燃料棒はすぐには冷えないので「冷却」が必要なのです。しかし、配管が破断し、空焚きになれば例え、制御棒が入っていても意味がなく、制御棒も燃料棒と一緒にメルトダウンしてしますのです。津波があれば海岸線のテトラポットが流れ込んで来て原子炉からぶら下がっている複雑な再循環配管が破断されることもありえます。すでにパイプのあちこちにヒビ割れが確認されているのです。冷却装置に問題が起れば、温度はすぐに上昇します

地震災害で浜岡原発から放射能が漏れれば、200k風下にある首都圏は8時間で放射性物質に覆われてしまうのです。南海トラフ地震では最も死者が出るのが静岡県(約10万人)となっていますが、浜岡原発の事故が起れば、日本の首都東京が最大の被災地になるのです。ビルが汚染され不動産価値も下がり、首都機能が喪失すれば、経済的にも大打撃となります。試算では東京でも1時間に100ミリシーベルトと危険水域のレベルで1年間退去地域が関東全域に及ぶ可能性を示しています。京大原子炉実験所の1995年の試算では4号機のみの事故で東京で約63万人が死亡という数字も出ています。

文部科学省の地震調査委員会は2005年3月に「地震ハザードマップ」を発表しました。赤いところが地震の起りやすいところです。浜岡は真っ赤です。



そして、耐震性に不安のある原発の中でもダントツは浜岡なのです。(経済産業省原子力安全委員会資料より)ちなみに、ワースト2位は伊方(愛媛県)、3位が女川(宮城県)となっています。仮にこの3つが爆発すれば日本には人が住めなくなるのです。

3、4、5号機は耐震補強工事が行われています。(ただし、肝心の原子炉の周りは補強されていない)1号機、2号機は運転から30年以上がたっています。配管サポートは強化しても配管自体は取り替えません。また、浜岡原発敷地内真下に4本の断層が見つかっています。(1つはタービン建屋の真下)冷却水の配管はどれも断層をまたいでいます。もちろん、断層があるからといって、すぐに動く訳ではありませんが、危険の可能性はあります。

「浜岡原発は即刻停止せよ!」地震学の最高権威(前地震予連会長)が再三にわたり浜岡原発の危険性を指摘している事実を皆さんはどう受け止めますか?
—————————————————————
原発情報アップデート
保安院緊急時情報ホームページ http://kinkyu.nisa.go.jp/

0 件のコメント:

コメントを投稿