2012年9月5日水曜日

東海地震と富士山噴火



あの3.11の4日後、3月15日午後10時31分、富士山の真下を震源とするM6.4の地震があったことを覚えていますか? 東北での余震は想定していましたが、富士山と聞いて緊張が走りました。東大地震研究所教授で火山噴火予知連絡会副会長の中田節也氏は「あの時、富士山が噴火しなかったのが不思議でならない。」と告白しています。(アエラ臨時増刊号4月25日)あの地震の震源がなんと富士山のマグマだまりの場所の直上だったそうです。

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富士山は、今でも噴火する可能性のある活火山です。下記の表に示す通り、過去に何度も噴火しています。
直近では、1707年に富士山が噴火していますが、この宝永噴火の49日前に南海トラフでマグニチュード8.6と推定される宝永地震が発生しています。
今回、防災科学技術研究所などの研究により、2011年3月11に発生した東日本大震災と、その4日後の3月15日に富士山周辺で発生したマグニチュード6.4の地震によって、マグマだまりに噴火を引き起こしかねないほどの大きな圧力がかかったことがわかりました。噴火にいたる要因は様々ですが、このマグマ溜まりへの圧力は、先の宝永地震の時よりも強く、富士山噴火への影響が危惧されております。
(内閣府の富士山火山防災協議会の資料より)
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関東、東海の下にはフィリピン海プレートが沈み込んでいます。隣接する太平洋プレートが3.11の時、縦500キロ、横200キロの範囲で平均10m動いたというのです。当然、フィリピン海プレートにも多大なプレッシャーが来ているはずです。また、つい先日8月31日にフィリピンの東でM7.9の地震がありました。フィリピン海プレートは年間4cm動いています。懸念されている南海トラフのあるプレートです。プレッシャーは溜まって来ています。

事実、掛川市より海側の御前崎市が少しずつ沈み込んでいるのが確認されています。(気象庁ホームページ)御前崎といえばすぐ近くに浜岡原発があります。東海地震は過去に100年から150年間隔で起っていますが、最後の地震からすでに158年目に入っています。もちろん、地震はどこで起るかわかりませんが、理論的には東海に注目するのは当然でしょう。(ただし、東海地震は単独で起った事が無く、過去の例では南海トラフ地震と連動しています。)そして震度6−7の地震が起れば、富士山地下の地殻にも大きな影響があるでしょう。東海地震と富士山噴火は関連があると見る方が当然でしょう。

さらに、東海地震の震源域に浜岡原発があります。震度6以上が予測されている箇所です。予測津波は19mで、現在、建設中の18mの堤防を超えてしまいます。放射線が放出されれば、首都圏まで6時間で届きます。富士山が噴火すると東京でも10cmの火山灰が積もります。あまり言われていませんが、東海地震、富士山噴火、原発問題の3つの災害が連動した場合、甚大な被害が首都圏を襲う事になります。交通はすべてストップ。人は家から外に出られなくなります。火山灰の磁気によりインターネットなどの通信にも障害が出るとされています。





さらには、富士山東側に断層があることが確認されています。以下は産経ニュース(5月10日)から引用。
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富士山直下の断層発見

 富士山(3776メートル)の直下に活断層が存在する可能性が高いことが文部科学省の調査で9日、分かった。地震の揺れで「山体崩壊」と呼ばれる巨大な山崩れが発生、東山麓の静岡県御殿場市などで大規模災害の恐れがある。約2900年前に起きた山体崩壊と泥流の引き金だった可能性もあり、調査チームが地元自治体に説明を始めた。

 文科省が実施した3年間の調査で判明した。チームの佐藤比呂志・東大地震研究所教授は9日、結果を静岡県に伝えた。千葉市で20日から始まる日本地球惑星科学連合大会で発表する。

 調査報告書などによると、富士山の東山麓で人工地震波などを使って地下構造を探査し、御殿場市付近で地下に隠れている断層を発見した。数十万年前以降の火山噴出物の地層を動かした形跡があり、活断層の可能性が高いと分析した。北東-南西方向に伸びる長さ約30キロの逆断層で北西に傾斜しており、下端は富士山直下の深さ十数キロと推定。マグニチュード(M)7級の地震を起こすとみられ、揺れで東斜面が崩壊し、大量の土砂が雪崩のように下る「岩屑(がんせつ)雪崩」や泥流が発生する恐れがあり「甚大な被害を周辺地域に引き起こす危険性がある」と結論付けた。
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京大の鎌田教授は「富士山噴火はスタンバイ状態」また、琉球大名誉教授木村政昭氏は「3年以内に噴火」と断言しています。活火山であるはずの富士山が300年も噴火しなかったこと自体、異常だと考えたほうがいいのです。木村氏はさらに、河口湖での気泡発生、伊豆諸島での火山活動、低周波地震動などを兆候にあげいる。また、富士山風穴の氷が溶け始めているという。


ただし、今のところ気象庁の噴火警報、予報には新燃岳(レベル3)、桜島(レベル3)、三宅島(レベル2)などがリストされていますが、富士山はリストされていません。


降灰予報は噴火発生から6時間以内に降灰が予測される地域に東京都から出される。また、噴煙が3000メートル以上、または噴火警戒レベルが3以上になると噴火警報がだされることになっている。


富士山噴火時に山梨県側に溶岩が来る場合は5万6千人が避難、静岡県側ならば56万人が避難対象となる。

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大地震の後に本当の危機が  地震予知の第一人者、東海大学教授の長尾年恭氏




 しかし、長尾氏はもしも東海地震が発生すれば、「破局的事態」は、それだけでは済まない可能性があると警告する。「東海地震が起きた場合、かなりの高率で富士山が噴火するでしょう。日本における災害では、地震以上に火山の噴火が怖い。たとえば、阿蘇山はかつて、破局的な大噴火を起こしていますが、もしそれが起きれば、九州の動植物はすべて絶滅します。火山の大噴火はそれほど恐ろしい被害をもたらすのです。
 実は富士山は、人間にたとえると二十歳くらいの若い火山なのですよ。阪神・淡路大震災から東日本大震災と、日本列島全体が活動期に入ってきた中で、富士山も同じく活動期に入ったと見たほうがいい」
 直近の富士山の噴火は、1707年のこと。この時は、まずM8・5級の「宝永地震」が発生し、その49日後に富士山が大噴火、宝永火口を形成した。
「活火山であるはずが300年も噴火しなかったこと自体、異常だと考えたほうがいい。東海地震後に富士山は間違いなく噴火すると考えるべきです。それは地震が起きた後、おそらく数十日~2年以内でしょう。
 地震の揺れ自体は長くても3分程度で終わります。しかし、ひとたび富士山が噴火すれば、それが数ヵ月は続くことになる。火山灰により、飛行機の離発着が不可能になるなど、現代のエレクトロニクスはほとんど使えなくなる。経済的に見ても、いったいどれほどの被害が出るのか見当がつきません」
〝その時〟は確実に来る。そしてそれは、明日かもしれない。
「週刊現代」2012年1月21日号より

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