12月1日の朝日デジタルニュースによると、
東京電力福島第一原発事故の復旧作業で、最高1万1800ミリシーベルトの甲状腺被曝をした作業員がいたことがわかった。一般的に甲状腺がんのリスクが増えるとされる100ミリシーベルトを超えた作業員は少なくとも178人いた。東電はこれまで、作業員の甲状腺被曝の詳細を公表しておらず、世界保健機関(WHO)の求めに応じて報告していた。
やっぱり。さらに東京電力は6日、福島第一原発事故後1年間の作業員の年代別被曝量を明らかにした。発がんリスクが上がる100ミリシーベルトを超えて被曝した割合が最も高いのは、20代で1.22%だったという。
被爆した割合が最も高いのが20代とは悲しい。世界中に原発が430基あるが、日本では震度6で、7カ所の原発すべてがシリアスなダメージを受けた。7個所のうちの1つではなく、7カ所のうち7カ所とも壊れたのだ。つまり100%の事故率と言える。初めから震度の6までの耐震性設計はしてない。3:11までは地震による原発事故は「起らないこと」になっていた。だから当然起った時の対応も無かった。世界の地震の2割が日本周辺で起きている。そんなところに54基も耐震性が十分でない原発が(しかも、海辺に)建てられている。安全と言いながら大都会からは離れた過疎地に作られた。もちろん、戦後、原子力による明るい未来が提唱され(鉄腕アトムに象徴される)メディアもそれを煽り、原発の招致合戦が起っていたことも事実である。しかし、現在は日本に活断層が2000あると言われており、ヒビだらけの日本列島に原発を設置してしまったリスクを今更のように思わされている。再稼働問題の大飯原発も、浦底断層が原発敷地内を走る敦賀原発も、美浜原発、高浜原発、もんじゅも断層の多い若狭湾に密集している。
判断基準(1)避難区域
理学博士の桜井淳氏の原子力事故自衛マニュアル(青春出版社)によると、半径30Kmから80Km圏内なら致命的に被爆する事は無いという。日本政府の出した
「20K圏外へ退避、30k圏内は自宅退避」は正しかったとしながらも、
1)半径10キロ以内の人は厳重注意
2)半径20キロ以内の人も要注意
政府は最近、警戒区域を20キロから30キロに引き上げた。浜岡原発の場合、30キロだと新幹線の通過地点が入ってしまう。また、被害範囲変は風の向きと雨により変わってゆく。
判断基準(2)IAEAによる国際評価尺度
危険度をレベル0からレベル7で表すもの。
2)レベル3以下なら、とりあえず心配はない。
としている。ちなみに、チェルノブイリは「レベル7」だった。今回の福島第一原発は「レベル5」(2011年3月20日時点)
判断基準(3)放射線量
放射線防護の勧告をしている国際放射線防護委員会(ICRP)によると一般人の年間に
1ミリシーベルトが世界基準となっている。職業人で年間50ミリシーベルト、やむをえない場合で100ミリシーベルトとされている。1990年に国際的な話し合いで決められていた。政府は福島の子供達への基準を20ミリシーベルトに下げてしまった。20年守って来た基準をいきなり下げてしまった。それでは、今までの基準とは何だったのか?ともあれ国際基準に従うと勧告はこうなる。
1)全身への予測線量が10ミリシーベルト以上なら建物の中に退避する。
3)全身への予測線量が50ミリシーベルト以上なら、遠隔地などに避難する。
4)放射性物質の放出が長時間続くようなら、遠隔地へ避難する。
それではどの程度の量の放射線をあびると危険なのか? 400ミリシーベルト以上だと、体調に変化が現れるとする。1000ミリシーベルト(1シーベルト)以上の急性被ばくで生命の危険を伴う。7000ミリシーベルト(7シーベルト)の急性被ばくで死亡する確立が高くなる。冒頭の福島原発の従業員の被ばくは10,000ミリシーベルト以上だ。臨床上は250ミリシーベルト以下の急性被ばくでは特に問題となる影響は見られていないという。しかし、大事をとって上記の勧告に従うのが安全だろう。
なお、被爆には外部被爆と内部被爆がある。被爆を1年間に1ミリシーベルト以下にするとは外部被爆0.4ミリ、内部被爆を0.6ミリシーベルトにするということ。
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単位の説明
1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルト (これが標準許容年間被ばく量)
毎時に直すと、0.1 つまり毎時 0.1マイクロシーベルト以内ならOKとなる。
毎時を年間に直すには、x24時間x365日とする。
1000ミリシーベルト=1シーベルト (7シーベルトで高死亡確率)
放射線・放射能を表す単位でもう一つややこしいのがベクレル。インターネット上で調べた説明によると・・・
「放射線による人体への影響度合いを表す単位を「シーベルト(Sv)」、放射性物質が放射線を出す能力を表す単位を「ベクレル(Bq)」といいます。放射性物質にはさまざまな種類があり、放射性物質によって、放出される放射線の種類やエネルギーの大きさが異なるため、これにより人体が受ける影響は異なります。このため、放射線が人体に与える影響は、放射性物質の放射能量(ベクレル)の大小を比較するのではなく、放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を受ける身体の部位なども考慮した数値(シーベルト)で比較する必要があります。」
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