もう一つがいわゆる「4号機問題」。4号機核燃料プールには今も1331本の使用済み燃料棒が眠っている。これはチェルノブイリ原発の10倍の放射能だ。これが何と3:11でダメージを負ったボロボロの館屋の現在は屋上部(上の階はダメージがひどく撤去された)、のプールに保管されている。むき出し状態である。表面は雨風を凌ぐためにシートをかぶせただけである。3:11でプールの壁が3.5センチ以上膨張しているのが確認されている。もし、余震でヒビが入り、水が漏れると、温度は上昇する。
爆発後の4号機。左の壁の穴の右あたりがプール。現在は上の部分、(実はこれは吹っ飛んだ最上階のフロア部分)は瓦礫と一緒に撤去され、プール部分が最上階となっている。
プールから水だけが抜かれれば、直接外気に触れるので300度以上にはならないという専門家の説もあるが、地震で建物自体が倒壊し、燃料棒が地面に重なってしまうと内側の燃料棒は外気に触れないため温度は上がる。さらに実験では、700度程度でも燃料棒自体が破損し、中の放射性物質を固めたペレットがむき出しになることが確認されている。東電側は補強工事をしてあるので震度6強までは大丈夫と言っているが、プールのある建物自体が80センチ地盤沈下しているという報告もあり、地盤の強固さに疑問は残る。
詳しくはYou tubeでの元駐スイス大使、村田光平氏のメッセージをご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=RNngWA5c-kM&feature=youtu.be
地震だけでなく、昨年は隣の茨城県で竜巻があったことも忘れてはならない。3:11以来、原発施設は根本的な解決の無いまま、応急処置の状態で維持されている。いずれにしても政府も東電も情報を積極的に開示せず「安全」を繰り返していても国民の心配はぬぐえないだろう。東電としてはプールを囲むクレーン用の台場を建設し、使用済み核燃料を撤去する作業を計画しているとするが、作業が始まるのが2013年11月。撤去作業は1年以上かかる。その間に大きな災害が起ったらと思うとぞっとする。東京でも葛飾区などは3:11以来、放射線量がかなり高くなったが、4号機の放射能が放出されれば、3:11以来の放出量の10倍が放出されることになり、東京に人が住めなくなる可能性さえあるという。(京大、小出教授)
最近、東海地震の発生確率が30年で87%から88%に引き上げられた。東海地震の震源域の真ただ中にある浜岡原発。大きな災害となることは目に見えている。福島第一原発を廃炉にするのに40年。危険はすぐには去らない。日本の首都東京が福島と浜岡という2つのリスクの高い原発に挟まれていることを現実問題として認識しておく必要がある。
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