12月19日、全国地震度予測図アップデートが発表された。関東での発生確率が上がっている。横浜など関東南部の危険度が高い。今後、30年以内に震度6以上の地震が起る確率は・・・
地方
高知 70%
根室 68%
静岡 66%
大阪 45%
名古屋 43%
高知 70%
根室 68%
静岡 66%
大阪 45%
名古屋 43%
山陰地方でも地下にひずみ 未知の活断層か
GPSにより地盤の動きを調査している西村准教授は、こう語っている。
「20年前の阪神・淡路大震災をきっかけに全国で国による活断層の調査が進められていますが、その後も各地で、それまで知られていない活断層がずれ動き大きな被害を伴う地震が起きています。こうしたなか、専門家が全国のGPSの観測データを詳しく解析した結果、活断層が少ないと考えられてきた山陰地方でも地下にひずみが集中し、大地震を引き起こす活断層が隠れている可能性のあることが分かりました。この地域では年間に5ミリ程度、地盤が東へずれ動いている(図のように、西日本全体としては西に動いている)ということで陸側のプレートが複数に分かれ、ずれ動いていると仮定すると、こうした動きを説明できるということです。これまでの調査で、この地域では長さが20キロをこえるような活断層はほとんど確認されていない一方で過去には昭和18年にマグニチュード7.2の鳥取地震が発生し、1083人が死亡しています。GPSのデータを使うと地表に、はっきりした痕跡がなくても地下に潜む活断層やそのリスクを見つける手がかりになる。今後、より詳しく観測をすることで未知の活断層の発見や将来、起きる地震の規模や発生間隔に迫りたい。」
さらに西村准教授の解析の結果、鳥取県から島根県にかけての山陰地方でも、これらのひずみ集中帯に匹敵するひずみが地下にたまっている可能性があるという。最近、日本海では、大王イカの打ち上げなど不気味な前兆とも言える現象が起っている。
やっぱり危ない房総半島東方沖?
武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が解説する。
「東日本大震災は、日本列島の東、南北500kmにわたるプレート境界付近で発生しました(図中の『2011年3月11日の震源域』部分)。境界の東側の太平洋プレートが、西側の北米プレートの下に滑り込んでいるのですが、沈み込んだプレートがそのひずみに耐えられなくなり、元に戻ろうとして地震が起きた。しかし、両プレートの境界はこの500kmだけでなく、さらに南北に長く続いています。沈み込んだ太平洋プレートのひずみ、つまり地震エネルギーは境界の南北にはずっと溜まったままというわけです。東日本大震災は、太平洋プレートの深いところで耐えていた『留め具』が外れた状態。そこ以外の南北のプレート部分は、エネルギーのバランスが崩れたことで、より地震が起きやすくなっているのです。」
島村氏が続ける。
「一方、南側の房総沖では大きな地震はこのところ起きていません。プレート境界の南側、つまり房総沖では地震エネルギーが発散されずに蓄積され続けているということ。ここで大きな地震が生じて、首都圏に被害が及ぶ可能性が高まっているのです」
房総半島では、地震の際、地面が大きく隆起することが分かっていて、地質調査の結果から、地震が起きる間隔、周期は最短で200年程度とされてきた。ところが、最近の地質調査で、隆起してできた地面のうち、これまで知られていない年代のものが房総半島の東側で見つかっている。このため、産業技術総合研究所の宍倉正展チーム長は、房総半島の東側ではこれまで知られていない巨大地震が起きていた可能性があると指摘する。房総半島の東側でマグニチュード8クラスの巨大な地震が起きる可能性があることが分かり、専門家が調査を進めている。
この房総沖で巨大地震が起きた場合、その被害は凄まじいものになるという。
「東京湾に5~6mの津波が押し寄せる危険があります。東京湾は閉鎖的な空間のため、海水が逃げる場所がない。津波が来たら、湾岸の臨海工業地帯は壊滅的な被害を受け、3000基ともいわれる燃料タンクが破壊されます。大規模な火事が発生することは避けられません」(元前橋工科大学教授・濱嶌良吉氏)
3000基以上の石油タンクに加え、湾岸には12基の火力発電所がある。これらがダメージを受ければ、停電が長期化することは避けられない。先日の長野の大停電でもすでに交通事故が発生している。ましてや大東京の交通への影響は測り知れない。
東京湾の堤防は3.5m。5メートル以上の津波なら確実に堤防を超え、住宅地の浸水が予測される。さらに、「荒川土手が北区で決壊」の想定をすると、地下鉄入り口に高さ1mの止水版を設置しても、東京都市部の130駅のうち最大で81駅が改札階まで浸水。ゼロメートルでなくても地上に水が到達しない霞ヶ関や六本木駅でも浸水することがわかった。地下鉄路線網が水路の役割を果たして被害が広がるからだ。シュミレーションにかかわった関西大社会安全学部長 河田恵昭教授は「震災対策で最も遅れているのが地下鉄の水害対策と断言する。
米地質調査所によると、50年以降、世界ではM9以上の巨大地震が東日本大震災を含め5回起きているが、東日本を除く4回の地震では数年以内に近くの火山が噴火している。どんどん成長を続ける小笠原諸島の西之島は巨大地震の前兆なのだろうか?
「東日本大震災は東日本がのる北米プレートと太平洋プレートの境界で起きたものですが、西之島はフィリピン海プレートにのっています。地震にかかわったプレートと違うことと、東京から南へ1000キロ離れていることを考え合わせると、東日本大震災に誘発されて噴火したものではないと思われます」と武蔵野学院大学の島村英紀(ひでき)特任教授(地震学)。しかし、海洋地震学者の木村政昭氏によると火山も地震もプレートの軋轢という同原因によるもので、プレートの圧迫でスポイトのようにマグマが押されて火山噴火となるという。そうであるなら、西之島付近のプレートの圧力が高まっていると言えるのではないか?事実、木村氏は小笠原海溝を震源とするM9クラスの地震を予測している。
そして、政府も新想定に延宝房総沖地震(1677年)の評価を初めて盛り込んだ。揺れに比べ津波が大きい「津波地震」の可能性が高いとして、日本海溝と伊豆・小笠原海溝をまたぐ領域に震源域を設定。この領域のプレート境界地震の発生確率は30年以内に7%で、東日本大震災の影響で誘発される可能性がある。房総半島の太平洋側を中心に6~8メートル、最大で17メートルの津波を想定し、対策を求めた。ちなみに、九十九里浜には高台が無い!
「南関東でM7程度の地震が発生する確率は30年以内に70%程度」−−。文部科学省の地震調査研究推進本部が発表している長期予測だ。中央防災会議は04年度に首都直下地震で「死者1万1000人、被害額112兆円」と莫大(ばくだい)な被害想定を示した。 それは最悪の想定であって、70%の中には2人死亡の千葉県東方沖地震(87年、M6.7)の規模の地震想定も含まれるという。
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一般社団法人 災害支援団体 クラッシュジャパン
次期東京災害対策担当
日本防災士機構公認 防災士
栗原一芳
crashkazu@gmail.com
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