2012年9月25日火曜日

防災館で防災体験を



 東京には防災館(あるいは防災センター)と呼ばれる施設があり、地震の情報や体験ができるようになっています。やはり、目で見て、体で体験して次期災害のイメージがはっきり見えてくるものです。防災館は、すべて無料です。


そなエリア東京(防災体験学習施設)
ゆりかもめ有明駅降りてすぐ、癌研有明病院に隣接する東京臨海広域防災公園の敷地内にある。この公園の沿岸部はヘリポートとなっており、大災害時にはテントが設置され政府の救援本部機能を果たす。防災館内にもテレビモニターと各席にコンピューターを備えたオペレーションルームがあり、見学者が窓から中を覗けるようになっている。(通常は誰もいませんが)

さて、施設の目玉は東京直下72時間体験学習ツアー。入り口でDSが渡され説明を受ける。エレベータに乗り込むとその途中に地震発生という設定になる。エレベータを降りると停電したビルの地下室を非常灯を目印に進んでゆく。外に出るとそこは大地震後の町並みがスタジオセットで再現されている。大型スクリーンではニュース番組で直下地震発生のニュースが流れている。DSの地図を見ながら指定された建物の前に行くと防災クイズが出され、それに答えて進んでゆく。コンビニのドアに帰宅者支援のマークが。しかし、皮肉な事にコンビニの内部は商品棚が倒れ、混乱状態。これがリアルな状況だろう。いったい帰宅者支援に役立つのかと疑しい?隣の部屋に移ると大スクリーンに東京直下地震のシュミレーション映画が上映されている。これがリアルで緊迫感がある。夜の東京のあちこちに炎と煙が上がっている。帰宅の足を奪われた人々が道に溢れている。実際、関東大震災の時は竜巻のような火災旋風で多くの人が焼け死んだ。東京で避難所に指定されているのは小学校、中学校。耐震補強は間に合っているのだろうか?避難所に指定された公園の4方が火事で炎に囲まれているというケースもありうる。さて、さらに進むと次の部屋には防災グッズや避難所での様子が展示されている。ペットボトルで作ったイス、ネクタイを包帯がわりに、空き缶でランプになど、以外なものが役に立つ。

施設2階には、大震災時の政府の動きを説明するパネルもある。震災時には官邸内に救援本部が設置されるが、官邸内がダメージある時は内閣府、あるいは、ここ有明の施設となる。この施設は免震構造で震度7を震度4まで軽減できる。ちなみに、東京都は新宿の都庁ビルに救援本部を設置、飛行場が裏にある立川防災センターが現場指揮本部となる。しかし、東京都と政府の連携は大丈夫なのだろうか。食料支援基地は東扇島(東京湾岸横浜北部)となる。

9時半から5時(入場は4時半まで)
休館:月曜
03-3529-2180



品川区防災センター
大井駅から歩8分。品川区役所内にある。ここの目玉はミニシアター。座席が震度5で揺れる3D映画「地震、その時あなたは」でリアルな地震体験ができる。単なる地震再現ではなく、家族ドラマとなっておりオフィスの中のご主人、家に同居のおばあちゃんなどそれぞれの状況でどうなるかが描かれる。ベランダに出ると瓦が落ちてくる。歩道を歩いていると割れたビルの窓ガラスが降ってくる。自転車で狭い住宅街を走っていると石垣が倒れてくるなど、現実は、こうなるんだという様子がよくわかる。映画途中で実際に地震が起ったかごとくに、映画が中断され、椅子が揺れ、壁が倒れてくるなどのエンディングにびっくり。避難所生活の現実がわかる「希望(のぞみ)、かけがえの無い人のために」も同時上映され多くを考えさせられる。シアターの他は小さな展示スペースがある。品川区は、さすがに津波注意も行っている。東京湾満潮時で海面が1m上がる。満潮時の津波想定はプラス2.2m。現在3.5mの堤防が張り巡らされている。ただ、これだとギリギリなのでは?備蓄は米50万食分、水4600㎥、仮設トイレ1500台を準備している。

休館日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始
開館時間:9時から17時
電話:03−5742−9098



池袋防災館
池袋駅西口、メトロポリタンホテル脇にある。ここでは防災訓練ツアーをやっている。煙体験や地震体験がきる。地震体験マシーンは横揺れのみで震度7まで体験できる。ステージセットは台所の想定で、ツアー参加者はテーブルの下に4つんばいになって退避する。(仰向けでは翻弄されるので)震度7になるとテーブルの足にしがみついていないと振り回され、隣の人と頭をぶつける危険性も。ところで池袋は雑居ビルなども多く、火災危険地域と予測されている。スクリーンの火災に実際に消火器を使用する訓練もある。地震の展示は他と比べると少ない。

9時から5時
03-3590-6565
休館:火曜日、第三水曜日



北区防災センター(地震科学館)
南北線西原駅(1番出口から歩5分)。滝野川公園隣接。入り口を入るとすぐに地震後の破壊されたキッチンの実物大模型が。壁には過去の大地震の概要が写真入りで紹介されている。阪神淡路体験者の証言ビデオなどは有益だ。印象に残ったのは避難所となる小学校のミニチュア模型。一目で避難所がどうなっているかわかる(どこで寝泊まりし、食事の配給を受け、どこで携帯の充電をするかなど)。避難所の一日のスケジュールまで張り出されている。地震体験マシーンのステージは3部屋に分かれており洋間や畳の和室などが選べる。東日本大震災や新潟中越地震などが縦揺れ横揺れでリアルに再現される。関東大震災モデルは一番恐怖感を感じた。通常激しい揺れは1分といわれる。その1分が生死を分ける。海溝型で震源地が遠い場合は広範囲で横揺れ、直下の場合は縦揺れ横揺れが局所的にドスンと来る。シュミレーションルームでは食器棚など倒れてくるものが何も無いが、実際には落下物、転倒物があり気が動転するのでは?隣の部屋では火災時の煙体験ができる。煙は上に行くので、低い姿勢でハンカチで(できれば濡れたもの)鼻と口を塞ぐ。熱気で気道を炎症しないためだ。非常灯の明かりを便りに壁つたいに手探りしながらドアのノブを探し、外に出る。

開館時間:9時から5時
03−3940−1811



立川防災館
立川駅北口から市役所方面バスで立川消防署下車。防災館の裏は飛行場になっており、東京災害緊急時には現場指令センターとなる。ここの特徴は3:11の検証。ミニシアターでは「地震」「津波」「火災」を映像で振り返り検証する。2回のビデオスクリーンでも当時のニュース報道を繋ぎ合わせた各地の津波の状況がリアルに映し出されている。様々な資料の他、震災を扱った当時の雑誌、グラビアまた、震災関係の本を集めた図書コーナーが役立つ。その他、地震体験、消火体験、煙避難体験などができる。全コースは3時間かかり、コースをやりたい場合は、午後2時までに入館する必要がある。バスで乗り付けての団体も多いので前もって電話で混み具合を聞いておくのが賢い。

入場無料  9時から5時
休館:木曜日、第三金曜
042-521-1119



本所防災館
JR錦糸町駅北口下車、スカイツリーを前方左に見ながらまっすぐ歩いて10分程。他の防災館のように地震、煙、消火体験に加え、唯一、豪雨体験ができる。
体験コースは約2時間。館内見学だけもOK。また東京に起った過去の災害の歴史が見られるミニシアターもある。東京は関東大震災で一度壊滅し、その後、第二次世界大戦の東京大空襲で再び壊滅。しかし、奇跡のように復興し、現在に至った。そして今、首都圏大震災の危機が迫っている。意外と見落とされている液状化の恐ろしさについても実験装置を使った説明がある。墨田区、葛飾区などの「川の手地区」で被害が大きくなる。震災関係ミニライブラリーもある。体験コース開始時間が決まっているので、電話で確認して行ったほうがいい。

9時から5時
休館日:水曜日、第三木曜日
03-3121-0119

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是非、地元の市役所、区役所の防災課、また上記の防災館を訪問してみてください。渋谷駅前に新しくできたヒカリエの8階には、渋谷区の防災センターがあり、防災グッズなどが少し展示してあります。

週末(金)の冬の夕方6時頃が被害が最大になると予測されています。夕飯の支度で火を使っている事。季節風で火災が広がること。役所、医者が帰宅して
居ないことなどが考えられます。都内の買い物客などの一時避難滞在所として都立の施設を全面活用し約7万人を受け入れるとしていますが、民間施設(東京ドームなど)を開放してもらわないと全然足りない状況です。

ちなみに、地震の時は新しくできた丈夫なビル内が、むやみと外に出るより安全です。建築基準法改定前の1981年以前の建物は危険性が増大します。できるだけ耐震補強工事をしてください。木造の古い建物の場合は2階に寝泊まりすることをお勧めします。過去のデータでは、高層ビルでの家具の転倒落下は6階から10階で多発しています。また、50階以上の高層ビルの上層部では「長周波地震動」で10分以上の横揺れが続く可能性があります。
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crashkazu@gmail.com (栗原)

2012年9月14日金曜日

緊急提言!浜岡原発の危険性



 世界の地震の約2割は日本周辺で起っています。その日本に54基の原発があります。3:11以降、当時の管総理の決断で浜岡原発の運転が停止されました。さすがに、その危険性の大きい事を恐れたのでしょう。判断は正しかったと思いますが、停止は新しい堤防が作られるまでということで、再稼動が前提となっています。元、地震予知連会長の茂木清夫博士は、「(浜岡のように)巨大地震の発生が最も懸念されているところに原発を設置するのは、世界の常識からすれば異常です。」と言っています。何度か浜岡原発の危険性を指摘してきましたが、もう一度、警鐘を鳴らしたいと思います。

1.8月29日に中央防災会議が新たに発表した南海トラフ地震による津波被害によると、御前崎には19mの津波が予測されている。東海地震の場合は21mとも言われている。現在建設中の堤防は18m。浜岡原発は海からわずか100m。これで間に合うのか?しかし、当然のごとく、問題は津波だけではありません。

2.予測によると震度6強−7の激震が原発を襲う。浜岡の場合、5機のうち4機が古いタイプのBWR型で、どれか1機が事故を起こす確立は10%と言われています。さらに衝撃的な内部告発があります。以下、「放射能首都圏消滅」(古長谷稔著、三五館)より引用します。

当時の原発設計者によると「2号機は地震に耐えられない。その理由は岩盤強度が弱い、燃料集合体が共振するの2点。当時は地震といっても横揺れだけしか考えておらず縦揺れは無視していた。耐震設計としては明らかに不十分でした。」彼が内部告発を決意したのは、浜岡原発の1.2号炉の炉心隔壁にヒビが入った事に衝撃を受けたからだそうです。地震も無いのに老朽化でヒビが入ったようです。事実、その後1.2号炉は中部電力も地震は乗り切れないと認めたようで長期運転停止の決定がなされました。

また、原発技術者の菊池さんは国会議員を対象にした勉強会で激白しました。「原発はもともと地震のあるところに原発を建てないアメリカ製なので、地震対策が詳細に検討されていない。地震の前からヒビ割れている原発が安全であるはずがない。」3:11前までは「原発震災は起らない事になっている。よって対策は必要なし」が政府の公式見解だったのです。

ここで少し、原発停止のメカニズムを話しましょう。(以下「放射能首都圏消滅」より編集引用)

原子炉の冷却水は炉心(燃料棒の周り)を通過している間に高温高圧(約290度)にされ、原子炉圧力容器内で蒸気にされ、タービン発電機に送られます。発電の仕事を終えた後は復水器で海水によって冷却された水に戻り、給水ポンプにより再び原子炉容器に送られます。こうして冷却水は循環しています。地震で冷却水の配管が破断すれば、冷却水の循環が止まり、「空焚き」状態になります。冷却水で放熱できなければ、たちまち核燃料の温度は上昇し、2800度を超えた後は、自らが出す高熱で自らが溶けてしまいます。これがメルトダウンです。燃料棒がどんどん溶け落ちてゆきます。超高温の金属のかたまりが水蒸気と反応して大量の水素が発生します。これは10トンの爆弾に等しい破壊力です。水が瞬時に沸騰し水素爆発を起こします。こうして爆風が原子炉格納容器を破壊し、内部の「死の灰」が大気中に噴出するのです。

「運転停止」しても「冷却完了」しないとメルトダウンの危険はなくなりません。「運転停止」は制御棒が注入される(浜岡の場合は下から入れる)ことを意味します。うまく入れば核分裂の連鎖反応が止まるので急激な発熱は収まります。ただし、地震による揺れが大きくて制御棒が垂直にうまく入らなければ、核暴走事故になる危険性があります。

燃料棒はすぐには冷えないので「冷却」が必要なのです。しかし、配管が破断し、空焚きになれば例え、制御棒が入っていても意味がなく、制御棒も燃料棒と一緒にメルトダウンしてしますのです。津波があれば海岸線のテトラポットが流れ込んで来て原子炉からぶら下がっている複雑な再循環配管が破断されることもありえます。すでにパイプのあちこちにヒビ割れが確認されているのです。冷却装置に問題が起れば、温度はすぐに上昇します

地震災害で浜岡原発から放射能が漏れれば、200k風下にある首都圏は8時間で放射性物質に覆われてしまうのです。南海トラフ地震では最も死者が出るのが静岡県(約10万人)となっていますが、浜岡原発の事故が起れば、日本の首都東京が最大の被災地になるのです。ビルが汚染され不動産価値も下がり、首都機能が喪失すれば、経済的にも大打撃となります。試算では東京でも1時間に100ミリシーベルトと危険水域のレベルで1年間退去地域が関東全域に及ぶ可能性を示しています。京大原子炉実験所の1995年の試算では4号機のみの事故で東京で約63万人が死亡という数字も出ています。

文部科学省の地震調査委員会は2005年3月に「地震ハザードマップ」を発表しました。赤いところが地震の起りやすいところです。浜岡は真っ赤です。



そして、耐震性に不安のある原発の中でもダントツは浜岡なのです。(経済産業省原子力安全委員会資料より)ちなみに、ワースト2位は伊方(愛媛県)、3位が女川(宮城県)となっています。仮にこの3つが爆発すれば日本には人が住めなくなるのです。

3、4、5号機は耐震補強工事が行われています。(ただし、肝心の原子炉の周りは補強されていない)1号機、2号機は運転から30年以上がたっています。配管サポートは強化しても配管自体は取り替えません。また、浜岡原発敷地内真下に4本の断層が見つかっています。(1つはタービン建屋の真下)冷却水の配管はどれも断層をまたいでいます。もちろん、断層があるからといって、すぐに動く訳ではありませんが、危険の可能性はあります。

「浜岡原発は即刻停止せよ!」地震学の最高権威(前地震予連会長)が再三にわたり浜岡原発の危険性を指摘している事実を皆さんはどう受け止めますか?
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原発情報アップデート
保安院緊急時情報ホームページ http://kinkyu.nisa.go.jp/

2012年9月11日火曜日

防災お役立ちリンク集


お役立ちリンク集

東京都防災ホームページ発災時のページ
(災害発生時の被害、交通、避難所などの現状アップデート)
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/datasheet/index_em.html

総合情報
首都圏防災ネット   http://www.9tokenshi-bousai.jp/

地震、噴火、津波、その他の自然災害情報
気象庁防災気象情報  http://www.jma.go.jp/jma/menu/flash.html  
東京都防災ホームページ  http://www.bousai.metro.tokyo.jp/
内閣府防災ホームページ  http://www.bousai.go.jp/

体験学習ができる防災センター

原発情報アップデート
保安院緊急時情報ホームページ http://kinkyu.nisa.go.jp/

2012年9月7日金曜日

放射能からどう身を守る



福島第一原発でも、冷温停止しているとはいえ、まだ冷却水の水漏れなど今も危機的な状況が続いています。東電が認めているようにすでにメルトスルーを起こしており、放射性物質は地中に漏れ出ており、地中の隙間を通して大量の放射性物質が環境に吹き出す恐れがあります。

前回書いたように、東海地震の震源域にある浜岡原発は震度6−7の激震に見舞われ、また19mの津波の被害を受ける予測がされています。現在、こちらも停止していますが、衝撃や津波で施設が破壊されメルトダウンが起れば、その次は水蒸気爆発、そして大量の放射能物質が外に飛び出ることになります。放出された放射能物質は大量の水蒸気を伴い、放射能雲が煙のように漂い、風下に向かって流れます。その時、雨になると深刻な汚染をもたらせます。

池や沼に波頭が立つ風速毎秒5mでは、33分で事故現場から10キロまで、1時間6分で20キロ、100キロまでも5時間33分でやってきます。もし秒速8mだと200キロ離れた首都圏までも7時間で到達します。原発から30キロ以内の地域でかつ発電所、電力会社、役所が避難を呼びかけた場合はすぐに避難してください。避難までに時間の余裕がある時はラジオなどで情報を聞きながら、汚染されていない安全な水を確保するため風呂桶などに水をためておきましょう。しばらく屋外に出られなくなるので食料を持って、できるだけコンクリートの大きな建物に避難しましょう。木造は10%、石の建物は40%、コンクリート建物は80%放射線をカットできるそうです。

「原子炉にホウ素を注入」とニュースで聞いたら警戒が必要。再臨界を防ぐための処置です。再臨界とは停止していた核分裂連鎖反応が再び起る事を言います。移動中は鼻や口を塞いで、体内に取り込まないようにしましょう。トイレットペーパー3回折りたたむだけで約90%除去できるようです。被爆した人の一部は数ヶ月以内に死に至り、生き延びた人も白血病や癌を心配しながら生きてゆかねばなりません。また精神的にも不安定になり、うつ状態になることもあります。犠牲になるのは子供達です。新陳代謝の盛んな子供のほうが遺伝子への傷を受けやすく、放射線障害を引き起こしやすいのです。

地震の対応は「窓やドアを開けて屋外に逃げろ」ですが、放射能災害は「窓をしめて部屋にこもれ」となります。原発震災ではこの2つがほど同時に起ります。原発からの距離や放射性物質の到達時間などを考慮して対応を考えなければなりません。風下の北へ逃げる事になるでしょうが、荒川を渡る橋は混乱状態でしょうし、首都圏の交通網はすぐにマヒするでしょう。家にこもる場合は1週間を想定してください。(地震で断水になっている可能性もあるので非常用トイレの用意も)放射性物質が到達する前に汚染されてない水を確保しておくことが必要です。窓や換気扇への目張りも大事です。10日間は雨に要注意。

内部被爆に対する対策は放射能を帯びていないヨウ素を先に体内に取り入れて、放射能が飛んで来る前に甲状腺をヨウ素で飽和させておくことです。放射能に襲われる直前にヨウ素剤を服用するのがベストですが、被爆後でも3時間後で50%の効果があるとされています。どうしても外に出る場合は防塵マスクの他、晴れでも雨でも体が外気に触れない工夫が必要です。汚染された靴などを家に持ち込まないことも大事です。

こちらで東京の大気中の放射線量を見る事が出来ます。

ちなみに胃のX線検診(1回)で600マイクロシーベルト。一般公衆の線量限度は1年間に1000マイクロシーベルトです。また、放射線業務、防災に関わる警察消防従事者に認められている上限が1年間に50000マイクロシーベルトとなっています。

計算の仕方は例えば、新宿区で1時間あたり0.04マイクロシーベルトの場合、

0.04 x 24時間x365日=350.4 マイクロシーベルト
(年間)

これは一般公衆の線量限度1年間に1000マイクロシーベルトを下回っているので、安全ということになります。



原発の状況アップデートは以下のサイトで見られます。また登録すると情報をメールで受け取る事も出来ます。http://kinkyu.nisa.go.jp

2012年9月5日水曜日

東海地震と富士山噴火



あの3.11の4日後、3月15日午後10時31分、富士山の真下を震源とするM6.4の地震があったことを覚えていますか? 東北での余震は想定していましたが、富士山と聞いて緊張が走りました。東大地震研究所教授で火山噴火予知連絡会副会長の中田節也氏は「あの時、富士山が噴火しなかったのが不思議でならない。」と告白しています。(アエラ臨時増刊号4月25日)あの地震の震源がなんと富士山のマグマだまりの場所の直上だったそうです。

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富士山は、今でも噴火する可能性のある活火山です。下記の表に示す通り、過去に何度も噴火しています。
直近では、1707年に富士山が噴火していますが、この宝永噴火の49日前に南海トラフでマグニチュード8.6と推定される宝永地震が発生しています。
今回、防災科学技術研究所などの研究により、2011年3月11に発生した東日本大震災と、その4日後の3月15日に富士山周辺で発生したマグニチュード6.4の地震によって、マグマだまりに噴火を引き起こしかねないほどの大きな圧力がかかったことがわかりました。噴火にいたる要因は様々ですが、このマグマ溜まりへの圧力は、先の宝永地震の時よりも強く、富士山噴火への影響が危惧されております。
(内閣府の富士山火山防災協議会の資料より)
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関東、東海の下にはフィリピン海プレートが沈み込んでいます。隣接する太平洋プレートが3.11の時、縦500キロ、横200キロの範囲で平均10m動いたというのです。当然、フィリピン海プレートにも多大なプレッシャーが来ているはずです。また、つい先日8月31日にフィリピンの東でM7.9の地震がありました。フィリピン海プレートは年間4cm動いています。懸念されている南海トラフのあるプレートです。プレッシャーは溜まって来ています。

事実、掛川市より海側の御前崎市が少しずつ沈み込んでいるのが確認されています。(気象庁ホームページ)御前崎といえばすぐ近くに浜岡原発があります。東海地震は過去に100年から150年間隔で起っていますが、最後の地震からすでに158年目に入っています。もちろん、地震はどこで起るかわかりませんが、理論的には東海に注目するのは当然でしょう。(ただし、東海地震は単独で起った事が無く、過去の例では南海トラフ地震と連動しています。)そして震度6−7の地震が起れば、富士山地下の地殻にも大きな影響があるでしょう。東海地震と富士山噴火は関連があると見る方が当然でしょう。

さらに、東海地震の震源域に浜岡原発があります。震度6以上が予測されている箇所です。予測津波は19mで、現在、建設中の18mの堤防を超えてしまいます。放射線が放出されれば、首都圏まで6時間で届きます。富士山が噴火すると東京でも10cmの火山灰が積もります。あまり言われていませんが、東海地震、富士山噴火、原発問題の3つの災害が連動した場合、甚大な被害が首都圏を襲う事になります。交通はすべてストップ。人は家から外に出られなくなります。火山灰の磁気によりインターネットなどの通信にも障害が出るとされています。





さらには、富士山東側に断層があることが確認されています。以下は産経ニュース(5月10日)から引用。
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富士山直下の断層発見

 富士山(3776メートル)の直下に活断層が存在する可能性が高いことが文部科学省の調査で9日、分かった。地震の揺れで「山体崩壊」と呼ばれる巨大な山崩れが発生、東山麓の静岡県御殿場市などで大規模災害の恐れがある。約2900年前に起きた山体崩壊と泥流の引き金だった可能性もあり、調査チームが地元自治体に説明を始めた。

 文科省が実施した3年間の調査で判明した。チームの佐藤比呂志・東大地震研究所教授は9日、結果を静岡県に伝えた。千葉市で20日から始まる日本地球惑星科学連合大会で発表する。

 調査報告書などによると、富士山の東山麓で人工地震波などを使って地下構造を探査し、御殿場市付近で地下に隠れている断層を発見した。数十万年前以降の火山噴出物の地層を動かした形跡があり、活断層の可能性が高いと分析した。北東-南西方向に伸びる長さ約30キロの逆断層で北西に傾斜しており、下端は富士山直下の深さ十数キロと推定。マグニチュード(M)7級の地震を起こすとみられ、揺れで東斜面が崩壊し、大量の土砂が雪崩のように下る「岩屑(がんせつ)雪崩」や泥流が発生する恐れがあり「甚大な被害を周辺地域に引き起こす危険性がある」と結論付けた。
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京大の鎌田教授は「富士山噴火はスタンバイ状態」また、琉球大名誉教授木村政昭氏は「3年以内に噴火」と断言しています。活火山であるはずの富士山が300年も噴火しなかったこと自体、異常だと考えたほうがいいのです。木村氏はさらに、河口湖での気泡発生、伊豆諸島での火山活動、低周波地震動などを兆候にあげいる。また、富士山風穴の氷が溶け始めているという。


ただし、今のところ気象庁の噴火警報、予報には新燃岳(レベル3)、桜島(レベル3)、三宅島(レベル2)などがリストされていますが、富士山はリストされていません。


降灰予報は噴火発生から6時間以内に降灰が予測される地域に東京都から出される。また、噴煙が3000メートル以上、または噴火警戒レベルが3以上になると噴火警報がだされることになっている。


富士山噴火時に山梨県側に溶岩が来る場合は5万6千人が避難、静岡県側ならば56万人が避難対象となる。

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大地震の後に本当の危機が  地震予知の第一人者、東海大学教授の長尾年恭氏




 しかし、長尾氏はもしも東海地震が発生すれば、「破局的事態」は、それだけでは済まない可能性があると警告する。「東海地震が起きた場合、かなりの高率で富士山が噴火するでしょう。日本における災害では、地震以上に火山の噴火が怖い。たとえば、阿蘇山はかつて、破局的な大噴火を起こしていますが、もしそれが起きれば、九州の動植物はすべて絶滅します。火山の大噴火はそれほど恐ろしい被害をもたらすのです。
 実は富士山は、人間にたとえると二十歳くらいの若い火山なのですよ。阪神・淡路大震災から東日本大震災と、日本列島全体が活動期に入ってきた中で、富士山も同じく活動期に入ったと見たほうがいい」
 直近の富士山の噴火は、1707年のこと。この時は、まずM8・5級の「宝永地震」が発生し、その49日後に富士山が大噴火、宝永火口を形成した。
「活火山であるはずが300年も噴火しなかったこと自体、異常だと考えたほうがいい。東海地震後に富士山は間違いなく噴火すると考えるべきです。それは地震が起きた後、おそらく数十日~2年以内でしょう。
 地震の揺れ自体は長くても3分程度で終わります。しかし、ひとたび富士山が噴火すれば、それが数ヵ月は続くことになる。火山灰により、飛行機の離発着が不可能になるなど、現代のエレクトロニクスはほとんど使えなくなる。経済的に見ても、いったいどれほどの被害が出るのか見当がつきません」
〝その時〟は確実に来る。そしてそれは、明日かもしれない。
「週刊現代」2012年1月21日号より